あの歓喜から早10年。2018年の獅子たちに見る栄光のV戦士との共通点

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2018.3.12(月) 18:42

左から栗山巧選手、中村剛也選手(C)パーソル パ・リーグTV
左から栗山巧選手、中村剛也選手(C)パーソル パ・リーグTV

埼玉西武は、4月の東京ドーム主催試合で開催する「ライオンズ・クラシック2018」において、2004年から2008年まで着用し、2度の日本一に輝いた栄光のユニホームを復刻する。

2月にお披露目された栗山選手と中村選手のユニホーム姿を見たファンの中には、2008年の日本一の思い出がよみがえった方も多いだろう。10年の月日が過ぎたが、あの年の優勝メンバーと今年の主力を比べてみると、そこには意外なほどの共通点があった。

今も昔も、埼玉西武打線を支える巧打者たち

まずは、強力・獅子打線を支える強打者たち。2008年は、中島選手(現・オリックス)が3番に座り、勝負強さと確実性を備えた打撃で打率.331を記録。楽天のリック氏と激しい首位打者争いを繰り広げた。25歳の栗山選手も、167安打で自身初の最多安打を獲得している。

今年の埼玉西武でも同様の活躍が期待できる選手は、間違いなく浅村選手だろう。昨年から中島選手と同じ背番号「3」を背負い、尊敬する先輩を彷彿とさせる勝負強さを発揮。昨年に引き続き、今年もキャプテンとしてチームを引っ張る活躍に期待したいところだ。

さらに、昨年は秋山選手が自身2度目の最多安打に加えて、念願の首位打者も獲得。球界を代表するヒットメーカーが、今年も埼玉西武を攻守にわたってけん引してくれるだろう。

「20発クインテット」再来なるか。獅子打線といえば有無を言わせぬ破壊力

次に、2008年の埼玉西武を象徴するホームランバッターを振り返りたい。当時の打線には、中村選手(46本塁打・本塁打王)、ブラゼル氏(同27本)、中島選手(同21本)、G.G.佐藤氏(同21本)、ボカチカ氏(20本塁打)の「20発クインテット」が君臨していた。

リーグ最多の198本塁打を放った超強力打線は、10年経った今でも、パ・リーグファンの記憶に色濃く残っているのではないだろうか。

そして今年の埼玉西武にも、2008年から6度の本塁打王に輝いた中村選手を筆頭に、実績のあるメヒア選手、昨年大ブレイクを果たした山川選手など、リーグを代表する長距離砲が在籍している。

その他にも、浅村選手(昨季19本塁打)や秋山選手(同25本)、森選手など長打が期待できる選手が目立つ。埼玉西武が誇る長距離打者の系譜は、しっかりと受け継がれているようだ。

「俊足豪打」で新たなる伝説を刻む年に

2008年の埼玉西武打線は、実は盗塁でもリーグ最多の107個を記録した。その中心にいたのが、50盗塁で盗塁王を獲得した片岡氏だ。オフに現役を引退した韋駄天は、不動の1番打者として切り込み隊長を務め、盗塁王と同時に最多安打も獲得している。

今年の埼玉西武も源田選手(昨季37盗塁)、金子侑選手(同25盗塁)、外崎選手(同23盗塁)など俊足ぞろい。昨年のチーム盗塁数は、リーグトップの129盗塁を記録した。

パ・リーグ屈指の機動力と強打が融合することで、2008年に匹敵する完成度の高い攻撃が実現できるだろう。しかし、もちろん、酸いも甘いも味わった長い月日を経て、埼玉西武はさらに頼もしく進化しているはずだ。

シーズンが開幕してすぐの4月17日には、「ライオンズ・クラシック2018」が開催される。懐かしいユニホームと同様に、現在着用しているユニホームもまた伝説となるように。思い出深い東京ドームで弾みをつけ、再び「強い埼玉西武」を見せ付けてほしいものだ。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 吉田貴

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE