プロ野球界の人材育成活性化へ。「パ・リーグ ビジネススクール」が開校

パ・リーグ インサイト

2018.2.3(土) 19:18

(C)PLM
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パシフィックリーグマーケティング株式会社が「パ・リーグ ビジネススクール」を実施した。プロ野球ではオフ期間にあたる昨年11月から今年1月までの毎月、東京都内で延べ4日間6コマのスクールが開催され、合計5名の講師が登壇。パ・リーグ6球団の職員を中心とした有志参加者が座学・ワークショップ形式で、招かれた講師のスピーチを聴講した。

米国メジャーリーグ(MLB)球団からはロサンゼルス・ドジャースのインターナショナルパートナーシップスマネジャーである佐藤弥生氏を招聘し、実例をとおして「球団スポンサー獲得やアクティベーション、集客プロモーション」について、ならびに自身のキャリアを通じての「女性がスポーツ界でキャリア構築するためには」の講義があった。

プロ野球以外の競技からは、Jリーグの村井チェアマンによる「Jリーグの事業戦略」やメジャーリーグサッカー(MLS)で国際事業コンサルタントを務める中村武彦氏による「MLS急成長の秘密」の論議が行われている。その他には「リクルート社が新規事業を生み続けられる仕組み」やキャリア形成の観点で「MLB球団で働く意義」などの講義が行われた。

プロ野球界全体の人材育成が目的

「パ・リーグ ビジネススクール」はプロ野球界全体の人材育成を目的とし、米国スポーツビジネスや一般的なビジネスを学ぶ機会を提供する。各球団から米国に視察へ訪れることもあるが、時期や費用の関係で人数と時間が制約される可能性も否めない。そうした問題を解消するとともに、球団間人材の横連携を深めるのも狙いだ。

参加者は当日、各分野のプロフェッショナルの言葉に耳を傾けた。講義中から質疑が相次ぎ、先を取る質問には、講師が内容の順序変更を余儀なくされる場面が見られたほどだ。また、講義の前後には、参加した職員同士が所属球団を越えて積極的な交流を図っている。

「学んだことを活用して、それぞれの領域で明確なアウトプットを出すこと」が「パ・リーグ ビジネススクール」のゴールだ。講義内容に着想を得た企画やイベントが、早ければ今季中にもプロ野球ファンの前で具体化されるかもしれない。そのファーストステップとなる今オフの試みの手応えと、今後の展望をパシフィックリーグマーケティング株式会社代表取締役の根岸友喜氏は語る。

「弊社はパ・リーグ6球団共同出資の会社なので、プロ野球の新しいファンを増やすミッション遂行を意識するとともに、株主である球団に対してどう貢献できるかを常に考えています。今回の取り組みは、業界全体の人材組織マネジメント活性化の観点における、幾つかのアクションのひとつです。アンケートによると参加者の満足度が高く、今後の開催のリクエストが多いことから、この領域は、株主球団へ貢献できることを確信しました。本ビジネススクールは育成の観点ですが、今後は6球団共同での就職・転職イベントの開催や業界に良質な人材を迎え入れられるために弊社がヘッドハンター業務を行うような、採用の観点の取り組みを予定しています」

今後は事業化も検討

参加者のアンケートでは、Jリーグなど他競技団体の人材と一緒に学んで情報交換や交流を持つ場を求める声が多く、今後はパ・リーグ球団のみならず、必要に応じて他競技団体と提携していく予定だ。

パシフィックリーグマーケティング株式会社は、プロ野球界にとどまらず、さまざまな団体や企業とスクラムを組むことで成長を続けてきた実績を持つ。「パ・リーグ ビジネススクール」は今後もオフシーズンを中心とした開催が予定されており、先々は事業化して、スポーツビジネスに興味がある一般にも公開する計画がある。これまでの歩みと同様に、業界内外から得た知見と経験を活用し、プロ野球界と日本のスポーツ界へ還元する構えだ。

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