「日大三高バッテリー」の話題性だけにとどまらない。来季は千葉ロッテ・関谷投手の真価が問われる

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2017.11.27(月) 00:00

歯車がことごとくかみ合わなかった今季の千葉ロッテにとって、一軍と二軍の入れ替わりは例年になく激しいものだった。プロ2年目、26歳の関谷亮太投手は、そんな状況で与えられたチャンスをものにして、来季の飛躍を予感させた選手の1人である。

関谷投手は名門・日大三高時代に、のちにプロでチームメイトとなる吉田選手とバッテリーを組んでいた。明治大学、JR東日本とエリートコースを突き進むと、いずれも主力として活躍し、2015年のドラフトで千葉ロッテから2位指名を受ける。

ルーキーイヤーの昨季、5月21日のオリックス戦で、先発として一軍デビュー。吉田選手とバッテリーを組み、2001年夏の甲子園の優勝投手で、高校の大先輩でもある近藤投手(現・東京ヤクルト)と投げ合うという数奇な縁を感じさせる一戦を戦ったが、7回3失点の好投でプロ初先発・初勝利を手にした。

その後もローテーションの一角として奮闘。8月6日の時点で10試合に先発して4勝1敗、そのうち9試合で5回以上を投げて3失点以内に抑えるという安定感を誇った。しかし8月中盤から疲れが見え始め、打ち込まれる試合が目立つようになる。以降の6試合では1勝5敗と苦しみ、防御率も5.52にまで悪化。9月17日を最後に一軍のマウンドに立つことができないままシーズンを終え、体力面に課題を残すルーキーイヤーとなった。

そして迎えた2年目の今季は、ドラフト1位ルーキーの佐々木投手や、先発への再転向が決まった西野投手らが新たにローテーション争いに加わり、先発の枠をめぐる競争が激化。関谷投手はなかなか登板機会を手にすることができず、開幕後チームが不振に陥っている中でもファームでの調整を続けることになる。

関谷投手の今季初登板は、5月28日のオリックス戦。この試合では敗戦投手にこそなったものの、6回2/3を投げて2失点と好投した。しかし、直後に再び二軍での再調整が決定、次にチャンスを与えられた7月12日の埼玉西武戦では4回途中4失点と試合を作ることができず。降板と同時に、女房役の吉田選手もベンチに下がった。

3度目の登板となった8月24日の楽天戦でシーズン初勝利。同31日のオリックス戦では5回6失点と再び崩れてしまったが、9月7日の埼玉西武戦で7回3失点(自責点2)と復調を感じさせる投球を見せ、さらにその後2試合連続でクオリティ・スタートを達成する。勝ち星にこそ恵まれなかったが、昨季は不振に陥ったシーズン終盤で結果を出し、確かな成長の跡を感じさせた。

シーズン最後の3試合は中継ぎとして起用され、3試合4イニングスを無失点に抑えて1勝1ホールド。トータルでは10試合に登板して2勝4敗1ホールドと負け越したが、昨季は5点台後半だった防御率は3.80に大きく改善されている。

関谷投手が先発する試合で、吉田選手がマスクを被る「日大三高バッテリー」を見る機会も増えてきたが、そういう話題性を持つ存在だけにとどまるわけにはいかないだろう。井口新監督が采配を振るう来季は、開幕一軍の座を勝ち取り、1本立ちを果たすことができるか。アマチュアでエリート街道を歩いてきた右腕にとって、真価が問われる1年となる。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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