歴代最多・福本の「1065」を筆頭に上位は昭和に活躍した選手が占める
盗塁は、打者の指標としては打撃3タイトルに次いで注目度が大きい。打撃とは全く異なるタイプの選手が上位に並ぶのが特色だ。
〇NPB通算盗塁数10傑 ()は実働期間
1 福本豊 1065盗塁(1969-1988)
2 広瀬叔功 596盗塁(1956-1977)
3 柴田勲 579盗塁(1962-1981)
4 木塚忠助 479盗塁(1948-1959)
5 高橋慶彦 477盗塁(1976-1992)
6 金山次郎 456盗塁(1943-1957)
7 大石大二郎 415盗塁(1981-1997)
8 飯田徳治 390盗塁(1947-1963)
9 呉昌征 381盗塁(1937-1957)
9 赤星憲広 381盗塁(2001-2009)
一時期はMLB記録さえ上回った「世界の盗塁王」福本豊の記録が歴代1位。以下、昭和の古い選手が並んでいるが、9位タイの赤星は平成の韋駄天だ。わずか実働9シーズンで381盗塁。脊髄を損傷し33歳で引退したが、最終年でも31盗塁していただけに、早すぎる引退が惜しまれる。ちなみに11位には昨年限りで引退した荒木雅博が378盗塁で続いている。
NPBでは、盗塁は200盗塁から50盗塁刻みで表彰される。今季の表彰記録予報をしてみよう。
〇300盗塁 (過去29人)
糸井嘉男(神)288盗塁(2007-2018)あと12盗塁
荒木雅博(378盗塁)、松井稼頭央(363盗塁)、本多雄一(342盗塁)と300盗塁していた3人が引退したため、現役1位は、阪神の糸井となった。糸井は今季7月に38歳になるが、35歳の2016年に史上最高齢で盗塁王(53盗塁)を獲得している(当時の所属球団はオリックス)。昨年も22盗塁。例年通り試合に出場することができれば。300盗塁到達は難しくはない。
5年連続30盗塁の北海道日本ハム・西川はどこまで盗塁を伸ばせるか
〇250盗塁 (過去45人)
西川遥輝(日)226盗塁(2012-2018)あと24盗塁
田中賢介(日)203盗塁(2000-2018)あと47盗塁
北海道日本ハムの二人が並んでいる。昨年のパの盗塁王、西川は今季4月で27歳。250盗塁は通過点に過ぎない。400盗塁くらいまでは一気に駆け抜けるのではないか。対照的に田中は今季限りでの引退を表明。この数字は厳しいところだ。
〇200盗塁 (過去75人)
大島洋平(中)187盗塁(2010-2018)あと13盗塁
荻野貴司(ロ)173盗塁(2010-2018)あと27盗塁
青木宣親(ヤ)167盗塁(2004-2018)あと33盗塁
金子侑司(西)154盗塁(2013-2018)あと46盗塁
中島卓也(日)151盗塁(2011-2018)あと49盗塁
坂本勇人(巨)147盗塁(2007-2018)あと53盗塁
このクラスでは聖澤諒が197盗塁を記録も昨年限りで引退、西岡剛も196盗塁だが来季の所属先が決まっていない。中日の大島は盗塁王1回。33歳だが昨年も21盗塁しており、達成の可能性は高い。千葉ロッテの荻野は早くからスピードスターの期待が高かったが、怪我や故障が多く、一度も規定打席に達したことがない。万全の体調なら今季中の200盗塁は十分に可能だ。東京ヤクルトの青木は、現時点でのNPB歴代打率1位で、2006年に41盗塁で盗塁王になったこともある。昨年は3盗塁だが、その気になれば2年くらいで達成可能ではないか。ちなみにMLBとの通算では265盗塁だ。北海道日本ハムの中島も盗塁王1回。チームメイトに当代一の走り屋、西川がいるため、1番ではなく9番を打つことが多いが、ポテンシャルは十分にある。巨人・坂本は昨年末に30歳になった。昨年は9盗塁に終わったが、まだ走れるはずだ。巨人では5人しかいない200盗塁を目指してほしい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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