元気なのは選手やコーチだけではない レオとライナも大活躍の埼玉西武キャンプ

Full-Count 広尾晃

ファンと交流するレオとライナ※写真提供:Full-Count(写真:広尾晃 )
ファンと交流するレオとライナ※写真提供:Full-Count(写真:広尾晃 )

南郷でのキャンプは16シーズン目、「黒潮ドーム」も自慢

 埼玉西武ライオンズの春季キャンプは、1軍中心のA班が2004年から宮崎県日南市の南郷町中央公園野球場で行われている。今年で16シーズン目を迎える。

 埼玉西武がこの地でキャンプを始めた時は、南郷町は単独の市町村だった。しかし、2009年に南郷町は日南市、北郷町と合併して日南市となった。今では「日南市民」となったが、旧南郷町の人々は土地柄や文化も異なる南郷町に愛着を持っている。埼玉西武ライオンズは、旧南郷町民の「おらがチーム」だ。

 日南市観光協会は、広島カープの本拠地の最寄り駅、JR日南線の油津駅の近くにあるが、この季節になると協会職員の一部は、プロ野球のユニフォームを着て仕事をする。ユニフォームは赤のカープのユニフォームと、ブルーのライオンズのユニフォームに、真っ二つに分かれる。ともに熱い応援でチームを盛り上げようとしている。

 南郷の埼玉西武キャンプは、JR日南線南郷駅から北に1キロ強の立地だ。歩いていけない距離ではない。しかし、このキャンプ地は、小高い丘の上にある。往路はかなり急な坂を上り続けることになる。日曜日などは住宅地の坂を延々と登るファンの姿が見られる。途中で一休みする姿もある。ようやくの思いで登りきると、メイングラウンドの外野の芝生が見えてくる。この上り坂も埼玉西武キャンプの一つの名物と言えるだろう。

 埼玉西武キャンプの自慢のひとつは、メイングラウンドの下にある「黒潮ドーム」。埼玉西武がキャンプを張るにあたって、当時の南郷町が新たに建設した施設だ。地元特産の飫肥杉を使用した木造のドーム。ファンはこの建物の一部に設けられた見学ゾーンから、選手の練習を見ることができる。

 埼玉西武キャンプで元気なのは、選手やコーチだけではない。春季キャンプではライオンズのマスコットのレオとライナが、あちこちでファンと交流をしている。

 ファンはサインをもらうなど、選手と交流することを望んでいるが、特にキャンプ初期の頃は練習メニューも多く、緊張感もあって、選手にはなかなか余裕がない。その代役として、マスコットが大活躍する。

 埼玉西武キャンプでは、選手や関係者の導線は、ファンとは分けられて青いラインが引かれている。その青いラインの横で選手の出待ちをする熱心なファンに、レオやライナがサインをし、記念撮影に収まる風景が良く見られる。

 昼時になると、売店ゾーンである「ライオンズスクエア」に現れて、ファンとの記念撮影に収まる。レオはバク転を軽々と行う抜群の運動神経を持っている。子どもたちの要望に応えてポーズをするなど、反応も素晴らしく、プロ意識の高さも感じられる。

 キャンプ見学のメインは、なんといっても選手への応援だが、地元、球団のこうした演出が、キャンプ見学を忘れ難い思い出へと変えていくのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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