おそらく、野球ゲームをやる際には守備力よりも打撃力を優先するプレイヤーが多いことだろう。中には守備力の高い選手ばかりで固めるプレイヤーもいるかもしれないが、やはり守備力よりは攻撃力という方が多いのではないだろうか。
現実のプロ野球の世界では、「センターラインが重要」であるとか、「キャッチャーが扇の要」であるとか、「守備は野球にとって非常に重要なものである」だとかはよく耳にする。でも、それは本当の話なのだろうか。
極端な話、1点も取られなければ負けることはない。つまり1点さえ取れれば勝てるという状況ならば多数の戦略が生まれ、色々な攻め方で1点を奪いにいけるのだ。
そこで重要になってくるのが、予期せぬ失策で相手に流れや点を与えないことである。痛恨の失策で試合を落としてしまっては、その試合だけでなく、翌日の試合以降にも影響を与えかねない。そうなると、シーズンの失策数が多ければ多いほど、チームに嫌な空気を持ち込んでしまい、チームの浮上の好機を逃してしまうことになる。
では、本当に強いチームは失策が少ないのであろうか。過去5年のパ・リーグの失策数を調べてみた。
<過去5年の最少失策チーム一覧>
【2011年】 福岡ソフトバンク
→失策51(最少) リーグ優勝、日本一
【2012年】 北海道日本ハム
→失策72(最少) リーグ優勝
【2013年】 楽天
→失策63(最少) リーグ優勝、日本一
【2014年】 オリックス
→失策63(最少) リーグ2位
【2015年】 福岡ソフトバンク
→失策68(最少) リーグ優勝、日本一
この結果が出てしまっては、やはり守備が重要だと言わざるを得ない。過去5年のうち、4シーズンでリーグ最少失策数のチームがリーグ優勝を果たしている。唯一逃してしまった2014年のオリックスに関しても2位でシーズンを終えているように、上位に入るにはまずは守備を重要視していく必要がある。ちなみにセ・リーグも過去5年のうち、3シーズンでリーグ最少失策数のチームが優勝している。
<今季のパ・リーグチーム失策数一覧>
【北海道日本ハム】→失策数33
【福岡ソフトバンク】→失策数37
【楽天】→失策数44
【千葉ロッテ】→失策数46
【オリックス】→失策数59
【埼玉西武】→失策数67
※7月5日終了時点での数字
今季の7月5日までのチーム失策数は上で述べた通り。順位こそ逆であるが、やはり北海道日本ハム(順位は2位)と福岡ソフトバンク(順位は1位)の上位2チームは失策数も少ないということが分かる。なお、セ・リーグの失策数最少チームは東京ヤクルト(順位は2位と2差の5位)で、次に少ないのが広島(順位は1位)という結果になった。
シーズンも半分以上の試合を消化し、残りは60数試合ほど。チームの補強などは今月いっぱいで完全終了となるが、上位進出への切符を手にするには、守備力をしっかりと見つめなおす必要がある。「野球は守備から」という言葉を念頭に置いてシーズンを戦っていくことが重要になりそうだ。
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