オースマス監督は二刀流増加に期待「ブームとは呼びたくない」
ちょうど1年前、日本ハムからエンゼルスへの移籍を決めた大谷翔平投手を巡り、日米球界では盛んな議論が巻き起こっていた。テーマは「メジャーでも二刀流は通用するのか」。懐疑的な意見が大半を占める中、キャンプインした大谷は思うような結果が残せず。だが、開幕を迎えると一気に才能を開花させた。右肘故障で投手としては10試合に登板にとどまったが、4勝2敗、防御率3.31の成績。打者としては打率.285、22本塁打、61打点でア・リーグ新人王に輝いた。地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」では「2018年最も影響力のあった人物」として特集を組み、24歳が米国で与えた衝撃について紹介している。
今季、大谷が活躍するたび引き合いに出されたのが、“野球の神様”ベーブ・ルースだった。メジャーで本格的な二刀流としてプレーしたのは、ルース以来約100年ぶりの出来事。記事では「メジャーでは平均レベルであっても二刀流をした選手はいなかった」と言及。さらに「ルースとオオタニの間に(同年に)50イニングを投げ15本塁打を放った選手はいない」と偉業を伝えている。
大谷の活躍で、メジャーでは二刀流に対する寛容な声が増えた。エンゼルスではマイナー野手2人を秋季リーグに参加させ、投手としての実戦経験を積ませた。さらに、エンゼルスからマリナーズに移籍したケイレブ・コワート内野手も二刀流の道を歩むという。
球界の流れすら変えた大谷の挑戦について、エンゼルスのビリー・エプラーGMは「本当に特別だった。見ることができてうれしかった」と称賛。ブラッド・オースマス新監督は「彼は特別な選手。投手としても特別だし、打者としても特別。でも、彼は両方なんだ」と驚きを隠さなかったという。
同時に、記事ではルースが最終的には打者に専念したことにも触れ、「このような高いレベルで二刀流としてプレーするために求められることは、単純に大きすぎる」と指摘。大谷もいずれは選択に直面するであろうことにも触れている。
だが、大谷が米球界にもたらした“革新”の影響は大きい。オースマス監督は「この先もっと二刀流を見ることになるだろう」と未来を予言すると同時に、この流れについて「ブームとは呼びたくない」と言い切ったという。
これから5年、10年先に、果たしてどれだけの二刀流選手が誕生しているの興味深いところだ。
(Full-Count編集部)
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