【オリックス】杉本裕太郎、天井吸い込まれ“幻弾”二塁打「本塁打と思ったんで残念。でも2点入って、もういいやと」

スポーツ報知

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2023.11.5(日) 05:10

2回無死一塁、杉本が左翼の天井に入る打球を放つ。判定は二塁打となった(カメラ・義村 治子)

◆SMBC日本シリーズ2023第6戦 オリックス5―1阪神(4日・京セラドーム大阪)

「SMBC日本シリーズ2023」第6戦はオリックスが逆転勝ちを収め、対戦成績を3勝3敗として2年連続の日本一へ逆王手をかけた。先発・山本由伸投手(25)が9安打を浴びながら138球を投じ、シリーズ新記録となる14奪三振で1失点完投。6回途中7失点KOされた第1戦のリベンジを果たした。運命の第7戦はオリックスが宮城大弥投手(22)、阪神は青柳晃洋投手(29)が先発する。

 絶対エースが先取点を許した直後に“幻弾”で嫌な空気を一変させた。左足首を痛めているオリックス・杉本裕太郎外野手(32)が渾身(こんしん)の力を振り絞った。「けがをしているから打てないと言っていたら、言い訳になる。試合に出る以上、そこは忘れて」。1点を追う2回無死一塁。好投手・村上の高め直球を捉えた打球は左翼へ高々と舞い上がり、京セラDの天井にある内から2番目のリングに吸い込まれた。

 審判団の協議の末、球場ルールでエンタイトル二塁打に。「本塁打と思ったんで残念。トラックマンの数値では、ちゃんと本塁打の数字で120メートル飛んで、打球速度も176キロ出ていたので。でも、そのあと2点入って、もういいやと思いました」。今シリーズ4打席目での初安打で二、三塁に好機を広げ、若月の同点打、中川圭の勝ち越し犠飛を呼び込んだ。

 決死の覚悟でグラウンドに立っている。10月21日のCS最終S第4戦・ロッテ戦(京セラD)で左足首を負傷。試合後は松葉づえをついて、帰りの車に乗り込む状態だった。それでも、人気漫画「北斗の拳」のラオウに憧れ、名セリフ「我が生涯に一片の悔いなし」が座右の銘だ。「試合に出たい」と諦めなかった。

 患部をテーピングで固め、痛み止めの注射まで打った。「トキ(北斗の拳のキャラ)にもすごく治してもらって」と周囲?にも感謝。あらゆる手を尽くし、2日の第5戦(甲子園)で初めてベンチ入りして電撃的なスタメン復帰にたどり着いた。中嶋監督も「痛いのは分かっているんですけど『悔いを残すな』ってことで」と目を細めた。

 4回1死から死球で出塁して代走を送られたが、逆転勝利に導く大きな仕事を果たした。「全員で勝てるように頑張りたい」。手負いの主砲のアドレナリンは全開。あとは2年連続日本一となり、昇天ポーズを決めるだけだ。(小松 真也)

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