【楽天】大誤算だったマー君 士気下げる「痛い」アピールも しかし代わって台頭した投手は…シーズン総括・投手編

スポーツ報知

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2023.10.13(金) 03:00

7勝11敗と期待を裏切った田中将

 楽天はレギュラーシーズンを70勝71敗2分けの4位で終えた。開幕ダッシュに失敗し、一時は最大13あった借金を完済する粘りも見せたが10年連続のV逸。「とうほく報知」では「投手編」と「野手編」の2回に分けて13日から低迷の要因を分析する。

  2年連続のBクラスで終戦。クライマックスシリーズ(CS)を逃したターニングポイントは2、3日の2位ソフトバンクとの2連戦(ペイペイD)だっただろう。絶対に避けなければいけなかった2連敗を喫し、ここでCS進出が遠のいたと言っていい。

 初戦の先発を託されたのは田中将だった。初回先頭の周東に右前打。続く川瀬に1球目で犠打を決められて1死二塁のピンチを招くと、柳田に左前打。負けられない大一番で、わずか8球で先制点を献上した。一気に敵陣へと傾いた流れは変わることなく0―6のワンサイドゲームとなった。

 かつてのエースは今季の自らの投球を「波しかなかったですね」と分析したように、連勝はなく7勝11敗。勝っては負けてを繰り返す“オセロ”状態が最後まで続いた。11月で35歳。ピークアウトを迎え体もボロボロになりながら戦っていた。

 ウェートルームでは大声で「腰が痛い」「肩が痛い」と、どこに向けたものなのかわからない謎の“アピール”が頻繁にあったという。球団関係者は「そんなに状態が悪いのであればファームに行って調整すればいい。ローテを狙って頑張っている若い子たちもいるのに。他の選手の士気に関わる問題だった」と厳しく指摘した。13年の日本一の立役者というのは過去の栄光。後輩の手本となるべき存在としては恥ずべき行動だった。

 明らかに状態が悪くても起用し続けた首脳陣にも責任がある。V逸が決まったのも背番号18の登板日だった。9月18日のオリックス戦(京セラD)では2回1/3を7安打5失点。日本球界復帰後最短KOの屈辱を味わった。試合後、石井監督は「こちらが求める内容とはほど遠かった」と断罪。それでも次回以降の登板について問われると「このままシーズンをしっかりやってほしい」と、2軍行きを命じることはせず。結局、最後まで“鬼”にはなれなかった。

 一方で、先発としては異例となる防御率4・91の右腕を押しのけるだけの存在がいなかったことも事実としてある。首脳陣の一人から「将大の代わりと言っても誰を投げさせるのか。代わりがいない」と嘆き節が聞かれたように、開幕ローテに入った藤平は2勝止まり。エース候補の早川は故障もあって6勝と伸び悩んだ。先発陣の勝ち頭は12月で39歳を迎える岸の9勝。19年以来4年ぶりに2ケタ勝利はゼロだった。

 3、4月は昨季の勝利の方程式だった西口、宮森がそろって不調に陥り、9勝14敗と開幕ダッシュに失敗した。7月には小山投手コーチが配置転換され、永井2軍投手コーチを1軍昇格させる“荒療治”も行われた。

 先発ではドラフト1位の荘司が5勝を挙げ、同3位の渡辺翔が51試合で8勝、25ホールドをマークするなどフル回転の働き。ルーキーコンビが来季につなぐ希望として現れたのは大きなプラスだろう。

 最終的に失点数(556)と防御率(3・52)はリーグワーストに終わった。石井監督が退任し、来季に向けた組閣はこれから始まる。海外FA権を行使予定の松井裕の流出に備えたクローザーの育成や先発陣の若返りなど課題は山積み。前途多難だ。

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