【ロッテ】沢田圭佑、苦難乗り越え2年ぶり登板 盟友・藤浪と笑顔の再会を果たすまで…担当記者コラム

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2023.8.10(木) 06:00

沢田圭佑

 満を持して、スポットライトを浴びた。今年1月にロッテと育成契約を結んだ沢田圭佑投手(29)が7月末に支配下に返り咲き、9日のオリックス戦(ZOZO)で1軍初昇格。出番はいきなり訪れ、7点ビハインドの7回1死からマウンドへ。最速152キロを計測した直球を武器に頓宮を空振り三振、宗を三ゴロで打ち取り、元同僚をねじ伏せた。球場全体から右腕に惜しみない拍手が降り注いだ。

 「周りから見れば、ここまで順調だったかもしれませんが、まだこれからです。本当に拾っていただいたんで、とにかくチームに貢献したい」

 いばらの道を乗り越え、たどり着いた。21年11月に右肘のクリーニング術を受け、昨年6月にはトミー・ジョン手術。リハビリの最中だった同年オフに、オリックスから戦力外通告を受けた。置かれた状況は理解していたが、「最後に投げて、結果が出せなかったらあきらめもつきますが、まだ完全燃焼できていない。もう一回、勝負したい」と現役続行を決意。オフは16年ドラフトの同期入団の山本(オリックス)と一緒に自主トレに励んだ。NPBからのオファーを信じ続けた結果、1月に吉報が舞い込んだ。

 これ以上ない発奮材料がある。大阪桐蔭時代に春夏連覇を成し遂げた際の盟友・藤浪(現米大リーグ・オリオールズ)の存在だ。互いにリスペクトし、今も折に触れて連絡を取り合う。「自分がトミー・ジョン手術を受ける前にはいろいろ相談しましたし、藤浪が同じ手術の経験者の方に術後の過程も聞いてくれたりして。藤浪がメジャーで頑張っている姿は刺激になりますし、僕も負けていられない」。シーズン終了後に笑顔で再会できるよう、悔いのない日々を過ごしている。

 古巣では通算126試合に登板。18年には貴重なリリーフ陣の一角を担い、47試合で8ホールド、防御率2・54をマークした。独特な投球フォームで、プロ入り当初は「打者の目とか雰囲気を観察するようにしています。投球術で打ち取るタイプ」と自己分析。そこに加え、術後のトレーニングで球威は増し、さらなる進化を遂げようとしている。まだ29歳。第2の野球人生は始まったばかりだ。(プロ野球遊軍・小松 真也)

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