ロッテ、課題の長打力 メジャー通算26本塁打のブロッソー獲得

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2023.7.29(土) 11:42

ロッテに加入したブロッソー

 ロッテは29日、マイク・ブロッソー内野手の獲得を発表した。

 ブロッソ―は右投げ右打ちの内野手で、メジャー通算5年間で打率.242、26本塁打、77打点、48四球。レイズ時代の20年にはヤンキースとのディビジョンシリーズ第5戦、1-1の8回にチャップマンから決勝の本塁打を放ったことも。ブルワーズでプレーしていた今季は29試合に出場して、打率.205、4本塁打、8打点の成績。

 守備面では今季メジャーで三塁で20試合、一塁で4試合、二塁で1試合出場。22年には遊撃で4試合出場し、19年と21年は三塁よりも二塁での出場が多かった。出場試合数を見ると、内野ならどこでもこなせそうだ。ちなみに外野でも19年、20年、21年に出場経験がある。

 ブロッソ―は球団を通じて「残りのシーズン、千葉ロッテマリーンズの一員になれることに、とても嬉しく思います。メジャー時代の思い出はとてもかけがえのないものでしたが、これからの私の時間はマリーンズの為に全力を捧げる時間となります。皆さん優勝に向けてひたすら突き進みましょう!」と意気込めば、吉井監督は「彼の加入により打線が活性化し、攻撃力が増すことをおおいに期待しています」と期待する。

◆ 長打力に期待

 ブロッソ―に求められるのは長打力だ。今季ここまでのロッテのチーム本塁打はリーグワーストの58本塁打で、チームトップはグレゴリー・ポランコの12本塁打。28日のソフトバンク戦の初回の攻撃のように、四球を挟み6連打、“1つ先を狙った走塁”で一、三塁の形を作るなど、四球、小技、足を絡めて得点するのが近年の攻撃パターンだ。レアード、マーティンの長打力のある外国人選手が昨季限りで退団し、今季は長打の打てる選手はポランコ、昨季チームトップの16本塁打を放ち今季もここまで9本塁打を放つ山口航輝のみ。チャンスで長打を打てれば1点のところが2点、3点になる。そういった意味でも、開幕から抱えていた慢性的な長打力不足解消に大きな期待がかかる。

 ロッテは近年、的確補強でシーズン途中に加入した選手がチームにフィットすることが多い。今季も7月3日に巨人とのトレードで加入した石川慎吾が8日の日本ハム戦で決勝の適時打を放つなど、移籍後の打率は驚異の.522(23-12)、左投手の打率が.563(16-9)、代打での打率は.800(5-4)、得点圏打率も.600(5-3)と打ちまくり、加入してから1カ月も経っていないがすでに打線に欠かせない存在になっている。

 外国人選手を見ても、19年7月14日に途中加入したレオネス・マーティンは同月26日の楽天戦で来日初出場を果たすと、翌27日に来日初本塁打を含むマルチ安打をマーク。日本とメジャーで「ちょっと違いはあると思いますけど、同じ野球なのでそんなに感じないです」とすぐに順応し、52試合の出場で打率こそ.232だったが、14本塁打、39打点、26四球を選ぶ活躍を見せた。当時と状況は違うとはいえ、日本人選手だけでなく、途中加入した外国人選手も活躍した例があるのも事実。

 1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテ。現在首位・オリックスと2ゲーム差の2位とリーグ優勝が狙える位置につけている。基本は1点のリードを守り勝つチームだが、ブロッソ―が期待通りの働きを見せ、打線が活性化し、打ち勝つ試合が増えればリリーフ陣を休ませることができる。ブロッソ―が打つか、打たないか、この夏、ものすごく重要になっていきそうだ。

文=岩下雄太

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