【オリックス】森友哉の人生初サヨナラ弾で再奪首「今までで一番、気持ちのいいホームランになりました」

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2023.6.28(水) 05:30

9回無死、サヨナラとなる右中間ソロ本塁打を放った森友哉(4)はナインに祝福される(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ オリックス2×―1ロッテ(27日・京セラドーム大阪)

 オリックス・森友哉捕手(27)がプロ10年目で初めてどころか、人生初のサヨナラ本塁打でチームを救った。1―1の9回先頭で右中間席へ試合を決める12号ソロ。直前に守護神・平野佳が救援失敗した嫌なムードを一振りで払しょく。チームは今季4度目のサヨナラ勝ちで首位攻防戦の初戦を制し、22日以来となる奪首に成功した。

 初体験だった。味わったことのない感覚が全身を駆け巡った。森は地鳴りのような大歓声の中、右手を突き上げてダイヤモンドを一周した。プロ10年目で初どころか、大阪桐蔭高時代にもない、人生で「初めて」というサヨナラ本塁打。「もう会心で、すごく気持ちが良かった。今までで一番、気持ちのいいホームランになりました」。格別の通算114本目のアーチに、お立ち台でも興奮冷めやらぬ様子だった。

 劇弾は同点に追いつかれた直後の9回に生まれた。守護神・平野佳が1点のリードを守れず、女房役としての責任を痛感。「平野さんで失点してしまったので、何とか次の回に“絶対”という思いがありました」。その悔しい気持ちをバットに乗せ、益田の投じた148キロ直球を強振。3試合ぶりとなる右中間への12号ソロで勝利をもたらし、歓喜の“アクエリアスシャワー”を浴びた。「(福田)周平さんが、アクエリをいっぱいかけてきた。ベタついてます」とほほ笑んだ。中嶋監督も「素晴らしい」と手放しでたたえた。

 この、大事な打席での集中力こそ、背番号「4」の最大の強みだ。森が「僕の理想の打者。全部すごい」と尊敬してやまない、米レッドソックスの吉田正も一目置く。

 「彼は天才的な打撃センスがあって、何より集中力がすごい」

 森は開幕前に「まだまだです。最近は大事なところで強くない。もっと集中できるように」と口にし、FA移籍1年目の重要なテーマの一つに設定。言葉通り、ここまでリーグ2位の得点圏打率3割7分3厘をマークするなど、申し分ない勝負強さを見せている。

 6回には佐々木朗から中前打を放って、6試合連続安打。主砲の働きでチームも今季4度目のサヨナラ勝ちを収め、首位に再浮上した。「まだちょっと、猫かぶってますよ。まだよそ行きですね。隠してます」。チームになじんだかと問われ、そう返答できるほど心身ともに充実。12本塁打、38打点はともにチームトップ。リーグ3連覇を狙う猛牛打線に欠かせないピースになっていることは確かだ。(小松 真也)

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