周東、金子侑、五十幡…俊足選手たちの盗塁を阻止したロッテ・佐藤都志也 盗塁阻止率は.833!

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2023.4.28(金) 09:40

ロッテの佐藤都志也(撮影=岩下雄太)

◆ 俊足選手たちの盗塁を刺す

 .833

 昨季パ・リーグトップの盗塁阻止率.361をマークしたロッテの佐藤都志也は、今季もここまでリーグトップの盗塁阻止率を誇る。

 盗塁阻止率.833という数字も凄いが、盗塁を刺している選手も周東佑京(ソフトバンク)、金子侑司(西武)といった盗塁王経験者、さらには現在リーグ2位タイの5盗塁をマークする五十幡亮汰(日本ハム)と俊足を売りにする選手たちばかりなのは見事だ。

 4月4日の日本ハム戦で、五十幡の盗塁を刺した後、ガッツポーズをしていたので理由を聞いてみると「特にはないですが、バッテリーとしてピッチャーを助けられたというところじゃないですかね」と教えてくれた。

 4月25日の西武戦では1-5の8回からマスクを被り、無死一塁で唐川侑己が愛斗に投じた初球、二塁盗塁を試みた一塁走者の金子侑司を刺すと、さらに同イニングの二死二塁で外崎修汰の初球に三塁盗塁を狙った二塁走者・愛斗を刺し、1イニングで2つの盗塁を刺して唐川を“肩”で助けた。


◆ 盗塁阻止率

 プロ入り以来、毎年盗塁阻止率を向上させている。

▼ 年度別盗塁阻止率
20年:.273(11-3)
21年:.208(24-5)
22年:.361(72-26)
23年:.833(6-5)
※23年4月27日時点

 プロ入りした当初は、スローイングの不安定さがあったが、21年の夏場以降から送球が安定してきたように見える。21年8月6日のDeNAとの二軍戦で、二塁盗塁を狙った知野をコントロールよくノーバウンドで盗塁を刺した送球は見事だった。当時佐藤は「今までだったら慌てて早く投げなきゃと思ったと思うんですけど、なんとなく落ち着いてしっかり自分の送球をすればアウトになる。タイムというよりも自分の投げたい形でしっかり投げられたことがアウトにつながったのかなと思います」と分析。

 そして、盗塁阻止率リーグトップとなった昨季は「1個刺せるとよかったと思うところもあるんですけど、キャッチングというか捕る位置が前で捕らず、受け身にならず、ちょうど自分のなかで“ここで捕ったら”という部分で捕れている。それが一番リズムよく、テンポよく送球できているのが要因なのじゃないかなと思います」と、スローイングをしやすいキャッチングを見つけたことで、セカンドへのスローイングの安定につながった。

 盗塁阻止率リーグトップとなり、さらに進化するために今年から新たに取り組み始めたことなどがあるか春季キャンプ中に訊くと、「シンプルに基礎的なところをしっかりやるくらいですかね」と回答。

 「キャッチング、スローイングを絶対に自分のものにして、そこから“もっとこうしなきゃ”、“ああしなきゃ”というところを、ピッチャーのコミュニケーションでやりたい。自分のことで“ああしなきゃ”、“こうしなきゃ”としたくないので、基礎的なところは十分にできるくらいに本当、意識を持たないくらいやっていきたいところはあります」。

 開幕してからも“基礎”を大切にする姿勢は変わらない。開幕直後の取材で「下半身を軸にして動けているところが、強い球を投げられている理由かなと思います」と、盗塁を刺せている要因について語った。

 「盗塁阻止というところでも実際に走ってこない、抑止になればいいと思いますし、そういったところが僕のストロングポイントでもある。その辺を含めてやれればいいかなと思います」。

 ちなみにシーズンの最高盗塁阻止率は古田敦也氏の.644(1993年 / ヤクルト)で、パ・リーグ記録は梨田昌孝氏の.536(1979年 / 近鉄)。シーズンは始まったばかりではあるが、偉大な先輩たちの記録を破ることができるか注目だ。

取材・文=岩下雄太

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