【30人の侍】西武・源田壮亮“遊撃の矜持” 捕るが早いか投げるが早いか…原点はソフトボール
スポーツ報知
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2023.2.10(金) 06:00
WBC日本代表に選出されている西武・源田壮亮内野手(29)が、遊撃手としての矜持(きょうじ)を語った。本大会でも遊撃のレギュラーとして栗山監督の信頼が厚い守備の名手は「遊撃に打たせれば安心と言われるようになりたい」と意欲を示し、ファンから「#源田たまらん」と呼ばれる守備の原点も披露した。(取材・構成=秋本 正己)
ボールを柔らかいグラブさばきで包み込むように捕ると、よどみのない動きで送球へ移る。キャンプ第1クール最終日の特守。源田は当たり前のように103球のゴロをさばいた。「(特守は)予定通り。技術練習はできているので、いいと思います」。ゴールデン・グラブ賞5度の名手も、WBCは初の代表。21年東京五輪など侍ジャパンの経験があるとはいえ、同じ遊撃には巨人・坂本の存在があった。守備固め、代走での出場が多かったが、今大会は守備の要になる。
「今まではベンチから試合を見ることが多かったですが、今回は自分がしっかりしなくてはという責任感もあります。『ショートに打たせれば安心』とチーム、ファンの方に思ってもらえるように落ち着いてプレーしたい」
捕るが早いか投げるが早いか―。源田の守備は“牛若丸”の異名を取った元阪神の名遊撃手・吉田義男さんをほうふつとさせる。その原点は小学生の時に始めたソフトボールにある。
「捕ってから投げるまで早いのはソフトボールのおかげ。打球を捕ってからワンステップすると(一塁が)セーフになるので、捕ってすぐに投げていました」
ソフトボールを始めた時から中学、高校、大学、社会人と遊撃手一筋。意外にも守備の基礎を教わったのは、社会人のトヨタ自動車時代。当時の乗田(のりた)貴士コーチにマンツーマンで指導を受けたことがベースになっていると回想する。
「(遊撃と)違うポジションだと景色が違い過ぎて、めっちゃ下手になる。東京五輪で三塁を守った時は緊張しました。ちゃんと守備を教わったのは社会人で、それまでは自己流。基本がなっていないメチャクチャにミスをする遊撃手という感じで、プレーが軽いと言われ続けていました。乗田さんからはグラブの出し方、打球の待ち方などを教えてもらい、自分の守備の技術などを初めてちゃんとダメだと言ってくれた。それがすごくうれしくて楽しくて」
幼い頃から憧れていたのは西武、メッツなどでプレーした松井稼頭央(現西武監督)。身体能力の高さを生かした守備のとりこになったが、いつしかロッテ、巨人でプレーした小坂誠(現ロッテ内野守備走塁コーチ)のような捕ってから素早く送球する守備が理想になった。少しでも早く打球に入ろうと、インパクトの直前に守備位置で軽くジャンプしてタイミングを合わせる。
「稼頭央さんに憧れていましたが、野球を続けてカテゴリーが上がっていくにつれ『自分、違うな』と。客観的に自分を見て考えて、身体能力とか肩が強いとかいうタイプじゃないと分かってきて。ショートは飛びついたら内野安打になるので何とか飛びつかなくていいようにと考えて、捕手のサインを見て1歩目は体重移動に気をつけています」
世界中の注目を集める大会で好守を見せればファンに「#源田たまらん」とあがめられるフレーズも拡散されるに違いない。だが、源田は世界一のために個を捨て代表に献身する覚悟だ。
「個人として戦うわけではなく、チームとして戦って勝てばいい。とにかくチームの力になれるようになりたいです」
◆#源田たまらん 源田が試合で好プレーを見せると、いつからかファンがツイッターで「#源田たまらん」とつぶやくようになり、源田の好守の代名詞になって拡散されていった。
◆源田 壮亮(げんだ・そうすけ)1993年2月16日、大分県生まれ。29歳。大分商では甲子園出場なし。愛知学院大からトヨタ自動車に進み、2016年都市対抗で初優勝に貢献し、同年のドラフト3位で西武入り。1年目から定位置をつかみ、新人王を獲得。盗塁王1度、ベストナイン4度、ゴールデン・グラブ賞5度受賞。国際大会には19年のプレミア12、21年の東京五輪に出場。179センチ、75キロ。右投左打。今季から3億円プラス出来高の5年契約を結んだ。
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