直近5年の打率は.220、本塁打も59本 ロッテ打線課題の指名打者

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2023.1.9(月) 10:33

ロッテで昨季指名打者での出場が最も多かったレアード (C)Kyodo News

 パ・リーグは指名打者制が採用されており、投手が打席に立たない。指名打者をどう起用するかで打線全体の迫力にも影響が出てくる。

 ロッテはここ数年、指名打者をうまく活用できていない。直近5年間でチーム全体の指名打者の打率は.250以上を上回ったシーズンが1度もなく、20本塁打以上放ったシーズンも2019年のみ。デスパイネが在籍していた16年までは、主にデスパイネが指名打者で起用され、同年は打率.268、24本塁打、87打点(指名打者でスタメン出場した時の成績のみ)をマークした。デスパイネが退団した17年以降は、1人の選手に指名打者を任せるのではなく、レギュラーの選手を交代しながら指名打者で起用していくことが多い。2年連続2位となった20年と21年は、指名打者で50試合以上出場した選手はいなかった。

 選手を固定する、しないは別にして、冒頭にも述べたように指名打者で出場する選手がある程度、バットで結果を残さなければ、打線全体の厚み、迫力も変わってくる。

 現時点で今季指名打者での起用が増えそうなのが、昨季まで巨人でプレーし24本塁打を放ったグレゴリー・ポランコだろう。巨人時代は外野で出場していたが、守備力、肩という部分で不安定さが残る。指名打者での出場というと昨季は1試合で、メジャーでプレーした8年間で15試合と経験が少ないが、吉井理人監督が「あの打撃ならパ・リーグのどこの球場でも、しっかりとスタンドインすることができると思う」と期待するように長打力は魅力。ポランコが指名打者、そしてパ・リーグの投手に対応できれば、大きな戦力となる。

 一塁と外野の競争が熾烈で、ベテラン選手を休ませるという意味でバットに専念してもらう、試合に使いたいが守備力に不安、もしくはどこかに故障を抱えていた場合は指名打者で出場することもありえる。昨季終盤は荻野が指名打者で出場したということもあった。不慣れな指名打者での出場となったが、荻野は9月28日の日本ハム戦で2点適時打を放つなど、8試合・打率.375(24-9)、4打点と結果を残した。

 試合中は守備に就かず試合の入り方など難しさはあるが、指名打者で出場する選手にはバットでの結果が求められる。“指名打者=打つ”というイメージが大きいだけに、指名打者で出場する選手には価値のある一打、一発を1本でも多く放ってほしい。

▼ ロッテの直近5年間の指名打者成績
<2018年>
134試 率.239(456-109)本6 点47
【主な指名打者成績】
角中勝也 52試 率.275(189-52)本2 点25
福浦和也 42試 率.207(140-29)本1 点7

<2019年>
134試 率.232(461-107)本21 点81
【主な指名打者成績】
井上晴哉 51試 率.257(175-45)本16 点40
バルガス 24試 率.176(74-13)本1 点5

<2020年>
120試 率.205(410-84)本7 点30
【主な指名打者成績】
角中勝也 37試 率.205(127-26)本0 点8
清田育宏 23試 率.311(74-23)本3 点9

<2021年>
134試 率.220(472-104)本14 点59
【主な指名打者成績】
レアード 35試 率.299(117-35)本8 点26
角中勝也 32試 率.185(108-20)本0 点7

<2022年>
134試 率.204(486-99)本11 点49
【主な指名打者成績】
レアード 83試 率.186(307-57)本9 点34
山口航輝 17試 率.254(63-16)本2 点7

文=岩下雄太

※初出時に指名打者制について誤りがあり、訂正いたしました。大変失礼いたしました。

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