“常勝軍団”を築くため必要なロッテ・藤原恭大の成長

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2023.1.7(土) 10:19

ロッテの藤原恭大(C)Kyodo News

 ロッテの若手は昨季髙部瑛斗が盗塁王を獲得し、佐藤都志也がリーグトップの盗塁阻止率を記録、山口航輝はチームトップの16本塁打、安田尚憲はオールスター明け打線の中心を担い、今季に向けて期待の持てる内容でシーズンを終えた。 “常勝軍団”を築くため、野手陣では彼らと共に藤原恭大もチームを引っ張る存在になって欲しいところ。

 「しっかり活躍してマリーンズの1番は藤原だという印象をつけられるように結果を残していきたい」と意気込んだ22年シーズンは自主トレで「踏み込みというか下半身の力強さというのをすごく感じていて、打球もそうですけど、力が伝わっているなと感じています」と自身の中で手応えを掴んでいた。しかし、春季キャンプ直前に新型コロナウイルスに感染。2月6日にB組の全体練習に合流と出遅れた。充実の自主トレを過ごしていただけに「ここまで体を作ってきて、ゼロからではないですけど、また戻ってキャンプに入ったので、もったいないというか、キャンプで戻せるとこまで戻してやろうかなと思ってやっています」と悔やんだ。

 2月22日のオリックスとの練習試合では、2ボール2ストライクから本田仁海が投じた6球目のストライクゾーンからボールゾーンに落ちるフォークを冷静に見送ると、2球ファウルにしたあと最後は9球目の外角変化球を見送り四球で出塁。この出塁をきっかけにこの回5点を奪うと、同月24日のソフトバンクとの練習試合では、藤井皓哉に対し2球で追い込まれるも、1ボール2ストライクから投じた5球目のフォークを見逃し2ボール2ストライクとし、そこから2球連続でファウル。8球目のインコースストレートを見送り3ボール2ストライクとするとファウルで粘り、10球目の低めのストレートを見送り四球を選ぶ内容のある打席。その後、山口の3ランにつなげた。

 オープン戦では3月18日の巨人戦で2打席目に菅野智之の高めのつり球に空振り三振するなど自分の打撃をさせてもらえていなかったが、3打席目にインコースのカットボールを対応しライトスタンド中段へ本塁打。3月21日の中日戦では谷元圭介が1ボール2ストライクから投じたインコース低めの128キロスライダーをライトへ満塁本塁打を放った。2月の練習試合からオープン戦までの打率は.246(61-15)だったものの、簡単に打ち取られず粘って四球を選んだりオープン戦終盤には長打を打ったりとシーズン開幕に向け期待の持てる内容だった。

 開幕一軍を掴むと、4月1日の西武戦で2安打、9日のオリックス戦では山本由伸から2安打するなど猛打賞を達成したが、その後が続かず一、二軍を何度も往復。一方で開幕前にレギュラーを争っていた髙部がオープン戦で12球団トップの打率を残すと、シーズンが開幕してからは荻野貴司が不在の間に1番を任され、武器である盗塁を重ねた。

 それでも藤原はシーズン最終盤の9月、18日の日本ハム戦で、4-3の9回一死二塁の第2打席、石川直也が3ボール2ストライクから投じた7球目のナックルカーブを前進守備の横を抜けていくセンター前に貴重な同点適時打を放つと、翌19日には加藤貴之から2安打。28日の日本ハム戦では、0-2の4回無死走者なしの第2打席、1ボール2ストライクから上沢直之が投じた4球目の146キロフォーク、5球目の124キロナックルカーブをファウルにし、外角に外れた132キロチェンジアップを見送り2ボール2ストライク。7球目に投じたインハイ高めの144キロカットボールをライトへ今季第1号ソロ。ファウルで粘ってしっかり本塁打にしたのがよかった。6-3の7回の第4打席では、井口和朋が投じたインコース寄りの140キロカットボールをセンター前に安打。

 30日のオリックス戦でも、1-2の7回一死二塁の打席、山本が1ボール1ストライクから投じた3球目の124キロのカーブに詰まったあたりもレフト前に落ちる安打で二塁走者の髙部が生還する同点打。さらに2-3の9回二死一、二塁の第5打席、守護神・平野佳寿が1ボール1ストライクから投じた真ん中高めの135キロフォークをライト前に弾き返す同点の適時打を放った。

 シーズンの打撃成績は打率.209、1本塁打、5打点、9盗塁に終わったが、9月は月間打率.333(30-10)、1本塁打、4打点。21年シーズンは9月以降インコースに苦戦するも、昨季の9月はインコースにも対応し安打する場面が増えた。また左投手に対しても21年が打率.157(51-8)だったが、昨季は打席数が少ないとはいえ.314(35-11)と対応した。

 今季でプロ5年目。21年に7.8月の月間MVP、そして昨季9月には月間打率.333を記録するなど、短期間で結果を残すことはできる。打撃面では追い込まれてから低めの変化球に手を出さずしっかりと見送り四球を選んだり、ファウルで粘って反対方向に安打を放つなど確実に成長した姿を見せる。あとは状態が落ちた時に、いかに調子を早く取り戻すことができるか。安田や山口らにもいえることだが、安定感がレギュラー定着する上で大事になってくる。

文=岩下雄太

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