静かなオフも…ロッテ得意の的確補強でポランコを獲得

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2022.12.28(水) 06:54

巨人時代のロッテ・ポランコ (C) Kyodo News

◆ 静かなオフも…

 ロッテは今季2019年以来3年ぶりにBクラスに終わった。このオフは、課題となった部分を的確に選手を補強していくのか、現有戦力の底上げを期待し補強を少なめにするのか気になっていた。

 2019年のオフでいえば、同年12月の取材で松本尚樹球団本部長は「今(2019年)シーズンを戦って何が足りなかったのかというところを分析してやっています」と話したように、楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平を補強し、ハーマン(現在退団)、ジャクソン(現在退団)、楽天を戦力外となった西巻賢二(現DeNA)、FAで楽天に移籍した鈴木大地の人的補強として小野郁を獲得した。

 19年は規定投球回に到達した投手はゼロで、同年イニング別失点では8回の87失点がワースト、当時1年目だった藤原恭大、山口航輝を2年目のシーズン、ファームで鍛え上げることができるという意味では、活躍したしていないは抜きにして、補強ポイントとしては的確さが光った。

 今オフは12月26日時点で、補強は今季まで巨人でプレーし19年には8勝をマークしたC.C.メルセデス、150キロを超えるツーシームを武器にするルイス・カスティーヨ、現役ドラフトでオリックス・大下誠一郎の3人。他球団に比べると、やや静かなオフとなっていたが、27日に今季まで巨人でプレーしていたポランコの獲得を発表。

 今季チーム本塁打がリーグ5位の97本で、チームトップの本塁打が山口の16本と長打力を課題にしていた中、巨人で今季24本塁打を放ち、日本で経験のある長距離砲を獲得できたのは大きい。ポランコは守備に課題があるが、パ・リーグは指名打者制を採用しており、指名打者での出場が可能だ。

 吉井理人監督は球団を通じて「とてもいい選手。パワーがあって、大きなホームランを打っている印象。あの打撃ならパ・リーグのどこの球場でも、しっかりとスタンドインすることが出来ると思う。長打力を期待しているのでホームランをたくさん打ってチームに貢献してほしい」と期待する。


◆ 若手の台頭も

 今季も先発は規定投球回に到達した投手は小島和哉のみで、2桁勝利を挙げたのも10勝の美馬学だけ。リリーフ陣も夏場まで益田直也が抑えを務めていたが、8月以降は新外国人のオスナが任され、東條大樹、小野、西野勇士など素晴らしい働きを見せたが、最後まで勝利の方程式を確立できなかった。野手陣もレアード、マーティンの不振が響き、チーム最多本塁打が山口の16本、3割を達成した打者はおらずチーム打率もリーグ5位の.231、さらにショートのレギュラーも固定できず。

 不安材料の多いロッテではあるが、投手陣では小島、小野、佐々木朗希、野手陣髙部瑛斗、佐藤都志也、安田尚憲、山口航に加え、2年間みっちりファームで鍛えてきた西川僚祐、山本大斗など、ここには名前が挙がらなかった選手を含め、2019年と比べたときに投打ともに一軍で使いたいと思わせるような若手が増えてきている。積極的に補強をしていくか、現有戦力の底上げに期待するのか、悩ましいところだったが、現時点では若手の成長に期待しながら、不足している部分を外国人選手で補うという形に見える。

 外国人選手の補強だと、日本ハム時代の16年に本塁打王に輝いたブランドン・レアードの入団が決まったもの19年1月15日だった。年が明けてから外国人選手の獲得ということも十分に考えられる。

 3年ぶりにBクラスに終わり、先発、リリーフ、長距離砲、ショートと課題が多い。球団としても、しっかりと次の一手を考えているはずだ。

文=岩下雄太

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