ロッテ・高坂社長、“若手選手の育成方針”に「手応えは感じている」その一方で「修正するところはある」

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2022.12.1(木) 18:27

左からロッテの藤原恭大、山口航輝、安田尚憲

 ロッテの高坂俊介代表取締役社長の会見が1日、ZOZOマリンスタジアムで行われた。

 ロッテはチームビジョンとして、常勝軍団になることを目標に掲げている。“Vision2025”を実現させるために高坂社長は「強い組織を作ること」を挙げ、「今のマリーンズは球団理念を掲げてマリーンズとしてどこにいくのか明確になりました。ですが、残念ながら理念を体現できているかというと、まだまだなんだなと感じたのが今シーズンのチームの結果ではありますし、事業としてもまだ至らない部分があるなと考えます」と続けた。

「それをしっかり成し遂げ、理念を体現する球団になっていこうと考えた時には、足りないものとしては組織の力だと思っています。これはチームの事業も一緒でして、しっかり自ら先を読んで、考えて、自ら行動できる組織にしていきたい。私自身も組織の力を上げることができるように取り組んでいきたいと思います」。


◆ 育成方針は継続?

 チームとして強い組織、常勝軍団を作るためには、若手選手たちがチームの顔になることは必要不可欠。今季で言えば、大卒3年目の髙部瑛斗が盗塁王を獲得し、オールスター明けからは安田尚憲、山口航輝、茶谷健太がレギュラーで出場。高卒ルーキーの松川虎生も1年間一軍に帯同し経験を積み、佐藤都志也は高い盗塁阻止率を誇り、シーズン最終盤には藤原恭大が、来季に期待を持たせる働きを見せた。投手陣も9勝を挙げた高卒3年目の佐々木朗希、2年連続規定投球回に到達した小島和哉をはじめ、小野郁、岩下大輝、トミー・ジョン手術から復活を目指す種市篤暉など楽しみな若手が多く、少しずつではあるが育ってきている。

 近年のロッテは球団として育成方針を振り返ったり、この先の若手選手を育成していくための蓄積されたデータを球団として管理。2020年からは順天堂大学・医学部と提携を結び、コンディショニング、運動能力測定、救急対応、栄養管理部門などのサポートを受け、近年は注目の高卒ドラ1ルーキーが入団してくるなかで、球団は高卒ドラ1組に限らず、若手選手たちを“一人前”に育てよう、球団として明確な育成ビジョンを持って取り組んできた。

 高坂社長は「育成のところについては松本さん率いる編成・育成部隊と執行役員の原田さん率いるデータ戦略のところが連携しながら今、強化しているところです。現時点では今やっていることに対して、PDCAで修正するところはあるんですけど、手応えは感じているので引き続きやっていこうと話しているところではあります」と修正するところは修正しながらも、これまでの取り組みを継続していく考えだ。

 「チームマネジメント、編成、育成、データ戦略のところをきっちりリンクするような体制をサポートしていくのが私の役割だと思っています」と高坂社長。若手選手の中から“中心”となる選手が一人でも増えた時、リーグ優勝、“常勝軍団”も見えてくる。

取材・文=岩下雄太

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