掛布雅之氏が日本S分析 山本にしかできない四球の出し方があったはず 村上との初対決が1敗1分けの流れに
スポーツ報知
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2022.10.25(火) 05:40
スポーツ報知評論家・掛布雅之氏が「掛布論」スペシャルで日本シリーズ2試合を振り返った。第1戦のオリックス・山本VSヤクルト・村上の第1打席が、ヤクルトの1勝1分けという結果につながったと分析した。
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ヤクルトの1勝1分け。この2試合の流れをつくったのは、初戦の山本VS村上の今シリーズ初対決だと見る。
■第1戦 攻めた四球なら
初回2死二塁。四球という結果はやむを得ない。だが、四球の出し方に、山本の弱さのようなものを感じた。初球の内角速球の後、外からのカーブを2球続けてボール。3ボールになり、勝負を避けるストレートの四球。山本からすれば「カウントをとりにいったカーブがボールになった」のかもしれない。だが、打者の感じ方は違う。「強い勝負に来てないな」と受け止めることができる。この四球で、村上は余計なことを考えることなく、シリーズをスタートできた。その平常心が、8回の平野佳からの本塁打につながった。
この四球の出し方は“普通”の投手と変わらない。日本最高峰の投手の山本にしかできない四球があったと思う。制球ミスの可能性が低く、強い球があり、カットボールもある。その山本なら、もっとインコースに投げ込むことができたはず。強く攻めての四球なら、村上に、イヤだな、という意識を植え付け、シリーズ全体に影響を及ぼすことができたのではないか。
オリックスの方が引いている―。そんな印象を抱く2人の最初の対決が、そのまま2試合の流れにつながったように思う。
■第2戦 内山壮の見極め
第2戦の内山壮の代打同点3ランは見事だった。その本塁打という最高の結果には驚いたが、勝負の分かれ目は直前の球にあった。オリックス・バッテリーは2ナッシングから1球ファウルの後、落ちる球を2球続けた。この2球を見極めた時点で内山壮の勝ちだ。3点差で無死一、二塁。四球は出せない→フルカウントにできない→もうボールになる変化球で誘えない。カウント2―2にしたことで、投手の阿部が追い込まれた。そうして直球の失投を打たれた。
4球目の落ちる球を見逃した時、内山壮の反応を、捕手・伏見がどう見たか。内山壮は食らいつこうとして、変化球を最後まで見極めていた。それを察知して、1ボール2ストライクから速い球で勝負していれば、結果が違っただろう。
ヤクルトが1勝1分けで優位には立ったが、日本一に有利とは言い切れない。
オリックスは第2戦、勝てなかったのは痛いが、負けはしなかった。9回に同点3ラン。その大ショックに気落ちして負けそうな試合展開。それを引き分けで踏みとどまった。
ヤクルトは山田の打撃が悪すぎる(9打数無安打5三振)。高津監督がベンチに下げる決断をしても驚かないほどの状態。山田が立て直すか、そうできない場合に高津監督がどう起用するか、これが第3戦以降のポイントと見る。
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