ロッテ、少なかった2000年生まれ以降の内野手を育成選手を含め4人指名

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2022.10.20(木) 20:40

ロッテの吉井理人監督[撮影=岩下雄太]

◆ 支配下5名、育成4名指名

 20日に『2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が開催され、ロッテは支配下選手5人、育成選手4人の計9人を指名した。

 ロッテは昨年のドラフト会議で1位の松川虎生から支配下5名、育成4名の的確指名が光ったが、今年のドラフト会議でもまずまずの的確な指名ができたのではないだろうかーー。

 筆者はドラフト前にロッテの年齢構成を見て、補強ポイントを以下のようにまとめていた。

・左の大卒投手(高卒出身の社会人投手)
→98年生の鈴木昭汰、佐藤奨真から03年生の秋山正雲の間にサウスポーがいない。

・00年生以降の内野手
→昨年育成で00年生の速水将大を指名したものの、17年ドラフトの安田尚憲を最後に高卒の支配下選手指名がなく、00年生以降の内野手が不在。

・右の高卒投手(右の即戦力右腕)
→昨年育成の田中楓基、永島田輝斗を指名したが、支配下選手の高卒投手が01年生の佐々木朗希、横山陸人、02年生の中森俊介の3人と、右の高卒投手がやや手薄。また期待の若い右投手は多いが、思うように育っておらず、左の即戦力とともに右の即戦力が指名できるならばしたい。

・高卒の外野手
→来季高卒3年目の西川僚祐、山本大斗、さらには来季高卒5年目の藤原恭大、山口航輝がいるが、ファームでは内野手登録の選手が外野を守ることもあり、育成を含め高卒の外野手を1名指名したいところ。


◆ 内野手を育成含め4名指名

 ドラフト1位で荘司康誠投手(立教大)の抽選を外すも、同じく大卒の右の本格派右腕・菊地吏玖投手(専修大)を指名。00年生以降の右投手は01年生の佐々木朗希以外は一軍の戦力になっていないということを考えれば、即戦力右腕は補強ポイントのひとつ。

 2位で指名した友杉篤輝選手(天理大)はチームに不足していた“00年生以降の内野手”で、3位で指名した田中晴也投手(日本文理高)は“右の高卒投手”、4位の高野脩汰投手(日本通運)は大卒社会人出身の左腕で、年齢的には鈴木昭汰、佐藤奨真に同じ98年世代だが、“慢性的なサウスポー不足”、“一軍の左のリリーフが不在”ということを考えれば、即戦力として期待。5位で指名した金田優太選手(浦和学院高)はショートを主戦場にする高卒の内野手で、年齢構成を見てもチームに足りなかったピースだ。

 育成ドラフトでも投手を2名、内野手を2名指名した。育成1位の吉川悠人投手(浦和麗明高)、育成2位の白濱快起投手(飯塚高)は、3位の田中投手と同じ高卒の投手だ。育成3位の勝又琉偉選手(富士宮東高)、育成4位の黒川凱星選手(学法石川高)は、5位の金田選手と同じ高卒の内野手。高校時代のデータを見ると、勝又選手、黒川選手ともにショートを守っているが、プロではどこのポジションを主戦場にしていくのか注目。

 20年ドラフトでプロ入りした西川僚祐外野手と育成で入団した山本大斗外野手(現在は支配下選手)、21年ドラフトでプロ入りした秋山正雲投手、育成・田中楓基投手、育成・永島田輝斗投手のように、年齢の同じポジションの選手たちが切磋琢磨して、ファームで鍛えていく形になれば面白い。また内野に関しては、金田選手、勝又選手、黒川選手がファームで実戦経験を積む環境になる前に、他の選手たちは一軍の戦力になる必要があるともいえる。

 即戦力の大学生、社会人、そして将来を見据えて育成を含めて高校生を6人指名したマリーンズ。この中から一人でも多く、将来マリーンズを引っ張る選手が出てきて欲しい。そうなったときに、マリーンズが掲げる“常勝軍団”になっているはずだ。

▼ ロッテ
1位 菊地吏玖(投/専修大)
2位 友杉篤輝(内/天理大)
3位 田中晴也(投/日本文理高)
4位 高野脩汰(投/日本通運)
5位 金田優太(内/浦和学院高)

<育成>
1位 吉川悠人(投/浦和麗明高)
2位 白濱快起(投/飯塚高)
3位 勝又琉偉(内/富士宮東高)
4位 黒川凱星(内/学法石川高)

文=岩下雄太

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