【ロッテ】“機動力野球”は継続!?現時点の吉井監督の考えは?

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2022.10.18(火) 12:57

ロッテ・吉井理人監督[撮影=岩下雄太]

 ロッテは2年連続リーグ2位に入り、今季はリーグ優勝に向けて期待が高まったなかでリーグ5位に終わった。井口資仁監督が今季終了後に退任し、来季から今季吉井理人監督のもと新たなスタートを切る。

 吉井監督は日本ハム、ソフトバンクなどで投手コーチを歴任し、19年から3年間ロッテの一軍投手コーチを務め、今季は「ピッチングコーディネーター」という役職でチームを支えた。

 吉井監督が投手コーチ時代の20年、21年は大事なシーズン終盤を見据えて、3連投、1週間に4試合以上登板が非常に少なく、1週間の登板数をしっかり管理。

 特に20年6回終了時点でリードした試合は44勝3敗1分。19年はイニング別失点で8回が最も多い87失点だったが、リリーフ陣を補強した20年は8回の失点数が47と減少した。

 翌21年も6回終了時点でリードした試合の試合は49勝5敗6分で、4月24日のソフトバンク戦から9月5日の日本ハム戦にかけて引き分けを挟んで28連勝ということもあった。吉井監督は投手コーチ時代に、最強のブルペン陣を構築した。

 投手運用に関しては投手コーチ時代に実績はあるが、攻撃面でどういう野球をやっていくのか気になるところ。

 井口前監督時代は、四死球や安打で出塁し送って、1本の安打で1つの先の塁を狙う。“盗塁”だけでなく得点を挙げるために相手の守備のミス、相手の隙を突いて1本の安打で俊足を飛ばして一塁走者や二塁走者がホームへ還ってきたり、浅い外野へのヒットも相手の守備の動きを見て打者走者が一気に二塁へ陥れるなど、“足”を使った攻撃が目立った。足の速い選手だけでなく、足が速いとはいえない選手たちも積極的に次の塁を狙うなど、この5年でチーム全体に“1つ先の塁を狙った走塁”、“機動力野球”が浸透した。

 20年以降は20年がリーグ3位の87盗塁、21年(107盗塁)と22年(132盗塁)は2年連続でチーム盗塁数が100を超え、リーグトップとなり、21年は荻野貴司と和田康士朗、22年は髙部瑛斗が盗塁王に輝いた。

 吉井監督は来季、機動力野球を継続していく方向で考えているのだろうかーー。

 「アナリストの方々が一生懸命分析してくれているので、それだけでいいのか、別のやり方があるんじゃないかということを今からしっかり話しあって決めていきたいと思います」と明かした。

 現状のロッテは足を使った攻撃ができるが、長打力という部分を課題にしている。ホームランラグーンを設置した2019年にマリン移転後最多となるチーム158本塁打を放ったが、19年以前は11年から18年まで8年連続でチーム本塁打が100本に到達せず、今季もチーム最多本塁打が山口航輝の16本で、チーム本塁打は97本だった。長打力に加えて、勝負どころでの一打、攻撃に関しては課題が多い。そのなかで、吉井新監督のもとどういった攻撃、どのように1点を奪っていくのか注目だ。

取材・文=岩下雄太

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