ロッテ、“常勝軍団”へ若手の成長は必要不可欠 吉井監督「自分の特徴を知って」

ベースボールキング

  • ニュース

2022.10.18(火) 12:18

ロッテの吉井理人監督[撮影=岩下雄太]

 「ワクワクしています。これから何が起こるのか期待でいっぱいです」。

 ロッテ・吉井理人新監督の就任会見が18日に行われた。2年連続Aクラス入りを果たしたなかで、今季は69勝73敗1分の5位に終わり、井口資仁前監督が退任し、吉井氏が来季から指揮をとることになる。チームとしては“常勝軍団”を掲げ、ウィークポイントを的確に補強し、若手選手の育成にも着手。チームとして目指すべき方向性を示し、取り組んできた。

 育成に関しては球団として方針を振り返ったり、この先の若手選手を育成していくための蓄積されたデータを球団としてしっかり管理。

 今季でいえば、大卒3年目の髙部瑛斗はオープン戦で12球団トップの打率をマークし、開幕スタメンを勝ち取ると、シーズン外開幕してからも結果を残し続け、44盗塁で盗塁王のタイトルを獲得、安打数もリーグ2位の148安打で完全にレギュラーをモノにした。

 高卒5年目の安田尚憲は規定打席にわずかに届かなかったが、8月以降は打率.289(166-48)、7本塁打、32打点、高卒4年目の山口航輝はチームトップの16本塁打、大卒3年目の佐藤都志也は盗塁阻止率リーグトップ、松川虎生は高卒ルーキー、そして捕手という過酷なポジションで一軍を完走、髙部、佐藤と同じ97年世代の茶谷健太もシーズン終盤はショートのスタメンで出場、藤原恭大も9・10月の打率は.303(33-10)とレギュラーを手に届きそうな若手は多くいる。一軍で活躍できるだけの力は持っており、あとは短期間だけでなく、シーズン通して結果を残せるかだ。ファームで2年間みっちり鍛えた西川僚祐、山本大斗も控えており、来季以降一軍のポジション争いに参戦してくるだろう。

 投手陣も高卒3年目の佐々木朗希が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど9勝を挙げ、小島和哉は援護に恵まれなかったが2年連続で規定投球回に到達。救援陣も小野郁がビハインドゲーム、勝ち試合の6回、イニング途中など様々な役割をこなしながらも44試合に登板して防御率1.99と移籍後最高の成績を残した。右肘の手術で出遅れた岩下大輝も、リリーフで14試合に登板して防御率0.55と抜群の安定感を誇った。

 そのほかにも種市篤暉、東妻勇輔といった一軍で結果を残してきた選手や、河村説人、本前郁也、鈴木昭汰、佐藤奨真、森遼大朗、横山陸人、中森俊介、秋山正雲など、来季大ブレイクしてもおかしくない若手投手が何人も控えている。

 “常勝軍団”となるためには若手の成長は必要不可欠。吉井新監督は若手選手に期待すること、求めることとはどういった部分なのだろうかーー

 「若手選手たちはまだ自分の特徴を知らない選手がたくさんいて、できもしないことを一生懸命やっている。それで実力を出せていない選手がたくさんいると思うので、自分の特徴を知って活かせるようにして欲しい。そのように、こちらも指導していきたいと思います」。

 若手選手たちは自分の“特徴”を知り、野手でいえばレギュラー、投手でいえば先発ローテーション、勝ちパターンに割り込むような選手が一人でも増えたときに、リーグ制覇、その先の“常勝軍団”が見えてくる。

取材・文=岩下雄太

記事提供:

ベースボールキング