【ロッテ】吉井理人新監督 佐々木朗希を育てた異例の育成方針 25年までに常勝軍団へ
スポーツ報知
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2022.10.8(土) 05:00
ロッテは7日、来季監督に、球団のピッチングコーディネーターと野球日本代表の投手コーチを務めている吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の最終戦セレモニーで井口資仁監督(47)が電撃退任を発表し、後任の選定を急いでいた。また、この日発表された森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)の退団に伴い、福浦和也打撃コーチ(46)がヘッド兼打撃コーチに昇格することも発表された。
井口監督の電撃退任からわずか5日。刷新を図っていたロッテの新体制が決定した。3年ぶりにBクラスに沈んだチームの再建は内情をよく知る吉井氏に託された。
吉井氏はこの日、球団を通じ「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです」とコメント。想定外の要請だったことをうかがわせた。
後任の選定を急ぐ中、球団は求める人材として「我々がずっと掲げているのは2025年に常勝軍団になること。そこに向けて共通の認識で戦ってもらえる人」と明かしていた。時間的にも外部からの起用は難しく、内部やOBを中心に人選を進めていたとみられる。
同氏はこれまで監督経験はないものの、日本ハム、ソフトバンク、ロッテと3球団でコーチを務めるなど経験は豊富。日本ハムではダルビッシュや大谷を一流に育てた。ロッテの投手コーチを務めた19~21年は井口監督と連携を取りながら、投手の細かい起用法や佐々木朗の育成にも尽力。登板なしながら1軍帯同という異例の育成方針を貫き、右腕を球界を代表する投手に成長させた。
また、今季から球団が新たに創設したコーディネーター部門のピッチングコーディネーターに就任。現場ではなく外側から「1、2軍監督コーチとの状況共有や全選手の状態把握」、「2025年に常勝軍団になるための中長期的視点での強化施策策定」などの役割を担っていた。今季中は複数回渡米して選手の育成や戦略を学んでいた。チームが求める後任として、球団の理念、そして現状を知り尽くした吉井氏が最適な人材と言える。
チームは後半戦、救援陣が不安定で途中からオスナを獲得するなど強化を図ったものの、8月2日以降は順位が浮上することなく5位でシーズン終了。残り3試合でCS出場も逃した。20、21年に2年連続の2位となったチームの打率も今季は2割3分1厘でリーグ5位。この日、森脇ヘッドコーチが退団し、新たなヘッド兼打撃コーチには2000安打を達成するなど現役、コーチ含め29年間ロッテに在籍する福浦氏が就任し、吉井氏をバックアップする。
「基本的には選手のパフォーマンスと人間力の2つを向上させること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」と新監督。05年以来のリーグ制覇へ、新たなリーダーがかじを取る。(小田原 実穂)
◆吉井 理人(よしい・まさと)1965年4月20日、和歌山県生まれ。57歳。箕島高から83年ドラフト2位で近鉄入団。95年ヤクルトに移籍し、97年オフにFAでメッツ入り。メジャー3球団を経て2003年からオリックス。07年途中ロッテに移籍し、同年引退。08~12年は日本ハム、15年ソフトバンク、16~18年日本ハム、19~21年ロッテとコーチを歴任。今季はロッテのピッチングコーディネーター。
◆福浦 和也(ふくうら・かずや)1975年12月14日、千葉・習志野市生まれ。46歳。習志野高から93年ドラフト7位で投手としてロッテ入団。1年目の夏に打者転向。2001年に首位打者、10年にベストナイン。ゴールデン・グラブ賞3度。18年から打撃コーチ兼任で2000安打を達成し、19年に現役引退。20年から2軍ヘッド兼打撃コーチに就任し、今季は打撃コーチ。
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