ロッテ・岡「全体的に納得がいかない数字」と自己評価も…光る試合終盤での勝負強さ

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2022.9.16(金) 10:30

ロッテの岡大海

◆ 試合終盤の1打席での勝負強さ

 スタメン、代打、代走、守備固め。様々な役割をこなし、チームの勝利に貢献しているのがロッテの岡大海だ。

 「出場機会を多くいただいていますけど、全体的に納得がいかない数字かなと思います」。

 その中でも岡自身、「一番は打つ方の打率もそうかなと思いますね」と、打率.214という数字に納得がいっていない。

 その一方で、試合終盤での1打席の高い集中力、勝負強さが光る。7月21日の西武戦では2-4の9回一死満塁の場面で藤岡裕大の代打で登場すると、平良海馬が1ボール2ストライクから投じた4球目のカットボールレフトへはじき返す同点の2点適時打。代走から途中出場した8月12日の日本ハム戦では、2-2の9回一死二、三塁からロドリゲスが1ボールから投じた2球目のツーシームをレフト前にサヨナラ打。

 本人は「特にそんな理由はないと思いますけど」と謙遜するが、「1打席しかないので、大きく割り切っていけているのかなと思います」と自己分析した。代打での打率は.375(8-3)、3打点、途中出場したときの打撃成績は打率.353(17-6)、4打点だ。


◆ 取り組みの変化は?

 岡といえばすり足で打ったり、時に足を上げて打ったりする。コロナ前の19年の取材では「ピッチャーの投球モーションだったり、どれが一番その日に合う形なのかなと思ってやっています」と話していたが、現在も「今も相手投手のことを考えてもそうですし、自分が練習して今日はこっちの方がうまくいっているなと思ったらタイミングの取り方は変えています」とのことだ。

 また20年の春季キャンプ取材で長打力、打率を残すことにこだわっていたが、そこに関しても「今も長打というのは求めていきたいなと思いますし、その中でも率というのは一緒に求めていきたいなと思います」と変わらない。

 気になったこともある。2019年まで試合前の打撃練習ではレフトスタンドにレアードに負けないくらいの大きな当たりを放っていたが、21年11月にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では左の打撃の投手のときに、センターから右方向への当たりが多かった。

 「左ピッチャーに関しては右ピッチャー以上に内からバットを出さないといけないという意識がある。とにかくボールの内側に入れたいということで、打球方向が左ピッチャーの練習のときは、センターから右が多くなっているのかなと思います」。

 今季は右投手の打率が.183(126-23)、に対し、左投手に対しては打率.267(75-20)と高い。普段の打撃練習での意識、これまでの積み重ねがつながっているのだろうかーー。

 「うまくできている部分もありますし、まだまだなところもありますけど、練習ではとにかく右ピッチャーよりも左ピッチャーは、より意識を高く内から出そうというのは思っています」。

 ここまではコロナ前に取り組んでいたこと、考えてきたことを確認してきたが、この2年間で打撃の取り組み方、考え方に変化はあったのだろうかーー。

 「しっかり自分が今日はこのタイミングだったら、これがベストかなというのを(試合前練習で)探して試合に臨むようにしています」。

 「前まではどちらかというと自分の形をあまりズラすことなく、試合に向けて調整していた部分がありました。その日、その日のコンディショニングにあわせてタイミングの取り方を変えていっているつもりではいます」。

 「そのなかでも大きくバッティングの幹、軸というのは変えているわけではなくて、枝になっている部分をうまく調整しながらやっています」。
 
 昨年は大事なシーズン最終盤、10月10日の日本ハム戦で2-4の9回二死一塁から値千金の同点2ランを放てば、10月15日のソフトバンク戦では1-1の9回にサヨナラ2ランを放った。

 「個人成績どうこうより、チームが勝つためにどうすればいいのか、勝つために自分がどうやっていけばいいのかというのを考えて、勝ちにつながるプレーをどんどんやっていきたいと思います」。

 チーム状況としては上位進出に向けて1敗も許されないなかで、岡の試合終盤の勝負強さが必要になってくる。

取材・文=岩下雄太

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