◆パ・リーグ　楽天８―２オリックス（１２日・楽天生命パーク）

　何度も右拳を握って、叫んだ。１０年目の楽天・則本昂大投手（３１）がプライドをかけた先発登板で、７回４安打１失点の力投でオリックスを封じ込め８勝目。２連勝の楽天が３位に１・５ゲーム差まで迫るのは、１日以来となった。

　悔しさを好投の原動力にした。７月以降、８試合に先発して６敗。直近の先発２試合では３回、４回しか持たず、８月３１日に出場選手登録を抹消されてファームで再調整に入った。「チームの勝利に貢献できていないふがいなさがあった」と挽回を誓って汗を流した。迎えた中１２日の１軍マウンド。本来の力強い直球で、立ち上がりから飛ばした。

　２回に頓宮に先制ソロを許したものの、要所では「集中力を切らさずに」「ヒットは打たれても大丈夫」などとマウンドで自分にささやき、冷静さを保った。今季３度目の対決となった宮城にも投げ勝った。

　前日（１１日）のロッテ戦で８勝目を挙げた岸に続きエース格が踏ん張って、オリックス、ソフトバンク、西武と続く“８番勝負”の初戦に勝利。石井監督は「目の前の試合に勝っていくことによって、コトが起こる。一戦必勝でやっていくだけ」と不敵にほほ笑んだ。２・５ゲーム差で追う首位・ソフトバンクは射程圏内だ。（阿見　俊輔）

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