自力優勝消滅危機のロッテ 今こそチーム、ファンが一丸に!

ベースボールキング

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2022.8.8(月) 21:20

ロッテの選手たち (C) Kyodo News

 『頂点を、つかむ。』を今季のチームスローガンに掲げたロッテ。前半戦終了時点で首位と「2.5」差だったゲーム差も、わずか2週間で「6.5」に広がった。

 1勝2敗と負け越した前カードの首位・西武との3連戦は、後半戦に始まってから何度も見てきた光景だった。先制点を奪うもその後追加点を奪えず、守りでは記録に残らないミスが相次ぎ、ロッテが本来やらなければならない相手の隙をついた攻撃を西武にやられてしまった。

 “たられば”は禁物だが序盤に先制点を奪ったあとに追加点を取れていれば、守備のミスがなければなど、投打がしっかりと噛み合っていれば3連勝ができた3連戦だった。人間だからミスはある。ただ、同じようなミスがオールスター明けなんども繰り返されている。

 2年連続で2位に入り、リーグ優勝への期待が高まったなかで、こういった試合が続くとファンもフラストレーションが溜まる。SNS上では厳しい意見も増えてきた。この原因をチーム全体で分析し、どのようにしたらミスが減るのか、勝つために何をしなければならないのかを早急に考える必要がある。

 現実的な問題として、ロッテが9日のソフトバンク戦に敗れ、首位・西武が最下位・日本ハムに勝利か引き分けで、ロッテの自力優勝が消滅する。ロッテは100試合を消化し、残り試合を考えるとリーグ優勝するためには勝ち続けなければならない。

 これまで先制点を奪い、そのリードを投手陣が守り抜く、守り勝つ野球を目指すべきだと言ってきたが、投手陣に疲れが見え、気がつけば失点数は日本ハムと並びリーグワーストの372。チーム打率(.225)、得点(328)、失点(372)はいずれもリーグワーストだ。新型コロナウイルス陽性判定による選手の離脱もあり、チーム状況としてはかなり苦しく、このままズルズルと負けが込みそうな雰囲気はある。

 忘れてはならないのが、近年のマリーンズは連勝したかと思うと突然連敗し、連敗が続きこのままチーム状態が下降していくかと思われたあとに連勝することが多く、この先の戦いが全く読めない。

 今季も交流戦前の楽天、ソフトバンクとの上位対決に4勝2敗で勝ち越し、交流戦最初の広島戦に2勝1敗で勢いにのっていくかと思われたが、ここからまさかの3カード(阪神、ヤクルト、巨人)連続負け越し。6月2日のヤクルト戦から3連敗を喫し、借金は今季ワーストタイの「9」に膨らんだが、5日の巨人戦に今季最多の10得点を奪い10-4で勝利したのをきっかけに、同日の巨人戦から5連勝、6月11日のDeNA戦に敗れたが、翌日から4連勝と、最大「9」あった借金を1カ月以内(7月1日)に完済した。今は最悪な状況だが、ひとつのきっかけで再びチームが上昇していく可能性を秘めている。

 9日からはホーム・ZOZOマリンスタジアムで6連戦(ソフトバンクと3連戦、日本ハムと3連戦)。上昇気流に乗っていくきっかけにするには、最高の場所だ。振り返れば6月、チームが勢いをついたのもZOZOマリンスタジアムでの6連戦からだった。

 週末の日本ハム戦では「心躍る、夏のボールパーク。」をコンセプトとした夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEKEND supported by クーリッシュ」が開催され、マリーンズの選手が本塁打を打った際には花火を打ち上げる。マリーンズファンの熱い拍手応援に加え、本塁打を打てば花火で盛り上げる演出もあり、マリーンズペースに持ち込むことができそうだ。

 まだまだ勝負は終わっていない。歓喜の秋を迎えられることを信じて、選手たちは最後まで全力プレーを、ファンは熱い拍手で選手を支えて欲しい。苦しい今だからこそチーム、選手、ファンが一丸となって戦っていこう。

文=岩下雄太

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