6球団中5球団に日本人指導者 林威助氏が副GMをつとめる富邦は史上最多の7名!
台湾プロ野球では、2020年の後期シーズンから公式球の反発係数が見直され、「打高投低」が解消、守備や走塁、戦術がより重視されるようになった。こうした中、近年、日本人指導者が急増、昨季の台湾シリーズは、史上初めて日本人監督対決となった。
年間3位でプレーオフに進出、そのプレーオフでは年間2位の統一に王手をかけられてから三連勝し勝ち上がった古久保健二監督(当時)率いる楽天モンキーズは、勢いをそのままに台湾シリーズでも、連覇を目指した年間1位、平野恵一監督率いる中信兄弟を4勝1敗で下し、「下剋上」で球団買収後初の台湾王者に輝いた。
楽天はその後、古久保監督との契約延長を見送ったが、豊かな経験を評価した味全ドラゴンズが招聘、古久保氏は台湾8年目の今季、味全の一、二軍統括コーチとして、チーム内の戦力把握、一、二軍の橋渡しの役割を果たすこととなった。
結果的に今季は6球団中、統一を除く5球団に日本人指導者が在籍、日本人監督が率いる2チームには、いずれも新たに日本人コーチが就任した。
平野監督が率いる中信兄弟は、打撃戦略コーチに元ヤクルトの西田明央氏、打撃メカニクスコーチに元オリックス、中日の(後藤)駿太氏が就任、チーム全体の打撃力底上げを目指す。
一方、かつて阪神でもプレーした林威助氏が副GMをつとめる富邦は、自主性を引き出す指導、コミュニケーション力を高く評価していた後藤光尊二軍監督の一軍監督昇格を決定、2016年10月の球団買収後、初の外国人監督が誕生した。
中信兄弟の平野監督、富邦の後藤監督は、奇しくも2001年のNPBドラフトでオリックスから指名された同期。ポジションを争ったこともある2人が、ともに台湾プロ野球で監督をつとめることとなった。
富邦はこのオフ、新たに元中日の森野将彦氏を一軍ヘッド兼打撃コーチ、選手として近鉄をはじめ3チームでプレー、指導者ではソフトバンクで数々の名捕手を育てた的山哲也氏を一軍捕手コーチ、さらに選手として18年、指導者10年のキャリアをもつ酒井忠晴氏を二軍監督に招聘、昨季まで台鋼ホークスで二軍投手育成コーチをつとめた福永春吾氏が二軍リハビリ育成コーチに就任した。2年目の根本淳平コンディショニングコーチ、島崎毅二軍投手コーチとあわせ、日本人指導者は計7名に達し、史上最多となった。
「日本色」の強いコーチ陣について林副GMは、人事についてはチーム内で話し合ったうえで決めたとして、経験豊かな日本人指導者を招聘したのは、選手への指導はもちろん、台湾人のコーチにもいろいろと吸収してもらいたいからだ、と期待を示した。
球団買収後、ハード、ソフト両面で積極的な投資を行い、観客動員数もうなぎ登りの富邦だが、成績は年間1位となった2019年を除き低迷している。今季のスローガンは「不一樣了(変わった)」、後藤新監督以下、日本人指導者と台湾人コーチがタッグを組み、チームにどのような変革をもたらすのか、富邦の戦いぶりに注目だ。
文・駒田英(情報は4月14日時点のもの)
