「野球の華はホームラン」と言われる。たとえ劣勢でも、その一発が飛び出すだけで球場は一気に盛り上がり、ゲームの流れは大きく変わる。豪快な一振りがチームにもたらす「1点」を、たった「1点」と侮ることはできない。だからこそどのチームも、喉から手が出るほど絶対的な大砲が欲しい。
オリックスのT-岡田選手が、8月26日の埼玉西武戦で、プロ通算150本塁打を達成した。プロ12年目、今季25号目での達成だった。彼が生み出す本塁打は、飛距離、放物線ともに球界随一の美しさを誇る。美しさの基準は人それぞれとはいえ、リーグ屈指のホームランアーティストであると言っても、決して大げさではないだろう。
T-岡田選手は、2005年のドラフト1位でオリックスに入団。履正社高校時代はその打棒と高校通算「55」本塁打などにちなんで「浪速のゴジラ」と称され、辻内崇伸氏(大阪桐蔭)、中日の平田選手(大阪桐蔭)、鶴直人氏(近代附)とともに、「浪速の四天王」と呼...