球団ワーストの成績に終わった昨季からの巻き返しを図った千葉ロッテ。しかし今季は、リーグ6位から5位へとひとつ順位を上げるにとどまった。今後に向けて楽しみな要素は少なくなかったものの、上位進出に向けて課題はまだまだ山積みだ。
機動力向上も、選手層の薄さが深刻
昨季はともにリーグ最下位となるチーム打率.233、479得点と貧打にあえいだ打線は、リーグ4位の打率.247、534得点と改善を見せた。盗塁も前年の78から124へと大きく増加しており、井口新監督が掲げた機動力野球が初年度から一定の成果を挙げている。
投手陣では、先発の涌井投手と石川投手の両輪が復調し、新加入のボルシンガー投手も抜群の安定感を見せて初年度から大活躍。これらの要素がかみ合ったことで、交流戦は11勝7敗の3位と躍進して、前半戦はリーグ5位ながら40勝38敗2分と貯金を作る。その勢いのまま、後半戦は2年ぶりのAクラス入りを目指すはずだった。
しかし7月9日、荻野貴選手が右手指に投球を受けて負傷離脱すると、オールスターを挟んで流れは一変。前半戦だけで9勝を挙げてタイトル争いにも加わっていた石川投手と、破竹の11連勝を飾っていたボルシンガー投手がそれぞれ違和感で登録抹消。先発陣は駒不足が深刻となり、負担の増したリリーフ陣も安定感を失う負のスパイラ...