7月27日にパ・リーグトップタイとなる10勝を挙げるなど、福岡ソフトバンク先発陣の柱として奮闘する東浜投手。開幕直後から離脱者が相次ぐ中、その穴を埋めて余りある活躍を続けている。プロ入りしてからの日々は決して順風満帆とは言えないものだったが、かつて東都を沸かせたスターが、数多の挫折を経てついに大きな飛躍を遂げようとしている。
沖縄尚学高校時代には春の選抜で優勝投手となり、亜細亜大学でも東都大学リーグの通算完封記録を破るなど素晴らしい実績を残した東浜投手。当然のようにプロのスカウトにも熱視線を送られ、3球団からドラフト1位指名を受けた。くじ引きの結果福岡ソフトバンクに入団した東浜投手は、開幕前から新人王の有力候補と目され、入団会見では「1年目から先発ローテに入り、活躍して新人王を獲りたい」と抱負を語っていた。
しかし、東浜投手を待ち受けていたのは厳しいプロの洗礼だった。初登板となった4月11日、制球に苦しみ初回だけで31分、52球を費やす。結果的に満塁弾を浴びるなどして4回途中6失点(自責1)。次の登板でも結果を残すことができず、以降二軍での長い調整を余儀なくされる。9月後半に再び一軍に合流すると、1完封を含む3戦3勝を記録してその力の一端を示したが、5試合に登板して3勝1敗という成績は、開幕前に寄せられた高い期待に応えるものとは言...