チーム打率.212。貧打に苦しむも西川愛也ら若手が存在感【埼玉西武ライオンズ2024:野手編】

2024.12.14(土) 10:01 パ・リーグ インサイト
埼玉西武ライオンズ・佐藤龍世選手、西川愛也選手【写真:球団提供】

 課題は明白だった。チーム打率.212、350得点、60本塁打。いずれもリーグ最下位の成績で、投手が好投しても打線が援護できない試合が続いた。貧打に苦しんだ2024シーズン、埼玉西武ライオンズの野手陣を振り返る。

光る源田壮亮の存在感 「トノゲン」の堅実な守備は健在

 キャプテン・源田壮亮選手は、苦しい中でもチームを引っ張った。全143試合に出場。シーズン序盤は打率2割台前半と苦しむも、7月に調子を上げ、月間打率.345をマーク。その後もコンスタントに安打を放ち、打率.264でシーズンを終えた。8月17日の東北楽天戦では4安打を放ち、同22日には自身初のサヨナラ打をマーク。貧打にあえぐチームで存在感を示した。
 中でも印象的だったのは9月15日の千葉ロッテ戦。この日引退を迎えた戦友・金子侑司選手を2塁に置き打席が回ると、ライトスタンドへの3号2ランを放ち、ホーム生還後に金子侑選手と熱い抱擁を交わした。また守備力も健在で、三井ゴールデン・グラブ賞を7年連続7回目の受賞。今季もたまらんプレーでファンを沸かせた。

 今季から選手会長を務めた外崎修汰選手は127試合に出場。打率.227と苦しんだシーズンになった。5月4日の福岡ソフトバンク戦では、チームの延長戦15連敗を止めるサヨナラ打を放つと、9月7日には通算100本塁打を達成。来季はさらにレベルアップして、シーズンを迎えたい。また、守備面では数多くチームに貢献。堅実な「トノゲン」の二遊間で、多くのアウトをもぎ取った。

山村崇嘉が一時4番起用。シーズン終盤は佐藤龍世が定着

 かつて松井稼頭央氏や浅村栄斗選手が着け、出世番号としても知られる背番号「32」。その系譜を継いだ高卒4年目・山村崇嘉選手が、キャリアハイの58試合に出場した。シーズン序盤は外野手で起用されるなど、一軍に帯同するも、4月下旬に登録抹消。6月後半に再昇格すると、7月15日に初の4番に座った。7月17日のオリックス戦では、自身本拠地第1号となるソロ本塁打をたたき込む。しかし8月は25試合で打率.202と苦しみ、9月以降はファームでの調整が続いた。

 シーズン終盤に4番に座ったのは佐藤龍世選手。背番号を変更して臨んだシーズンだったが、開幕から調子が上がらず、打率は1割台に低迷。6月12日の広島戦で骨折し、2カ月戦線を離脱した。しかし、ファームでの調整を経て8月12日に一軍昇格を果たすと、8月は月間打率.386の大活躍。シーズン終盤は不振の山村選手に代わって4番に入り、チームをけん引した。豪快なスイングも特徴だが、出塁率の高さも魅力。チーム2位の37四球を選び、出塁率.330を記録した。

シーズン途中には野村大樹が加入。内野の争いも激化

 今季、東京ヤクルトからトレードで加入した元山飛優選手。結果的に打率.143と物足りない成績に終わったが、9月1日の北海道日本ハム戦では逆転サヨナラ打を放ち、ポテンシャルの高さを見せつけた。

 7月5日に福岡ソフトバンクからトレードで加入した野村大樹選手は、キャリアハイの成績を残した。自身最多の59試合に出場し、40安打、5本塁打、22打点をマーク。長打率.406と、パンチ力のある打撃で出場試合数を伸ばしていった。来季はさらに確実性を上げ、バットでチームに...

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