12球団に新しい風を吹かせる。米田純氏に委ねられた使命
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新球団・東北楽天ゴールデンイーグルスの船出はまさに荒れ模様の航海だった。2004年11月2日に参入が正式決定し、約2週間後にはドラフト会議が待っていた。その前週に行われた分配ドラフトによる既存戦力の分析もままならないまま、チーム編成は急激に進んでいったことになる。一方で、プロジェクトスタート時には3名しかいなかった球団職員は、藤井寺球場での人材採用の甲斐あって徐々に増えていった。
こうして急ピッチで物事が決まっていったのを、米田氏は「プロジェクトX的な感じ」と客観的に振り返る。「『0から俺たちで作るぜ』という気概があったので、野球を知っている・知らないとかは関係なく、『とにかくいつまでに何をやらなければ』という使命感が強かっ...