球団生え抜き初の2000安打を達成した栗山巧。ライオンズ一筋20年のキャリアから、あの一打を振り返る

2021.9.11(土) 08:00 パ・リーグ インサイト
埼玉西武ライオンズ・栗山巧選手(C)パーソル パ・リーグTV

 2021年9月4日、球団生え抜き初の通算2000安打を達成した埼玉西武・栗山巧選手。ライオンズ一筋20年のベテランの記録達成に、球団・ファンともに祝福ムード一色だ。2004年のプロ初安打から始まり、栗山選手がライオンズで積み重ねてきた数字。そのバットが生んだ2000安打の中でも、今回は2018年9月17日の試合で放った一打を振り返りたい。

2018年9月17日 10年ぶりリーグ制覇へ、天王山での一打

 チーム打率.273、792得点と圧倒的な破壊力を誇った打線を中心に、開幕から快進撃を続けていた2018年の埼玉西武。その一方で前年王者の福岡ソフトバンクも夏場以降調子を上げ、逆転優勝へ猛追していた。2011年から7年にわたってシーズン負け越しと苦手意識も少なからずあった相手だけに、鷹の追い上げは脅威であった。
 優勝争いはシーズン終盤の9月に入り、9月15日、3.5ゲーム差で首位攻防3連戦を迎える。ファンの不安をよそに初戦は相手エース・千賀滉大投手を打ち崩し大勝、次の試合も序盤から大量リードを奪って勝利を収めた。優勝への期待が膨らむ中、3戦目となる17日の相手先発はミランダ投手。前回対戦では9回途中までわずか2安打1得点に抑え込まれた左腕だった。
 しかし、栗山選手のこの一打が不安を吹き飛ばす。初回、先頭の秋山翔吾選手がヒットで出塁すると、3番・浅村栄斗選手、4番・山川穂高選手も四球を選び満塁として、打席には5番・栗山選手。チャンステーマが鳴り響く中、カウント2-1から内角低めの直...

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