北海道日本ハムの浮沈を握る存在となりうる、2人の実力派投手が復帰
前年5位からの巻き返しを図る北海道日本ハムにとって、この2人の復帰は大きいはずだ。昨季はエースとして開幕から奮闘しながら、6月18日に左膝に打球が直撃してシーズンを終えてしまった上沢直之投手と、開幕前の故障で1シーズンをまるまる棒に振ったニック・マルティネス投手。ともに春季キャンプでは元気な姿を見せており、今シーズンこそはフル稼働の活躍が期待される。
両投手は半年以上のブランクを経て復活を目指す立場だが、過去においても、長期の離脱から復帰して再び活躍を見せた先発投手たちはもちろん存在している。今回は、そんな鮮やかな復活劇を見せてくれた投手たちの中から、パ・リーグで活躍した経験を持つ選手をピックアップ。過去の先人たちの活躍を振り返るとともに、先述した2投手の復活に期待を寄せたい。
1年以上の離脱となる、「トミー・ジョン手術」から復活を果たした投手たち
日本におけるトミー・ジョン手術の先駆者となったのが、ロッテオリオンズ(現・千葉ロッテ)のエースとして活躍した村田兆治氏だ。1975年から2年連続最優秀防御率、4度の最多奪三振、1度の最多勝とすばらしい実績を残していた村田氏だったが、1982年に肘を故障。翌1983年に、当時はまだNPBでは珍しかったトミー・ジョン手術を受けて再起を図った。リハビリを経て1984年の終盤に実戦に復帰すると、1985年には17勝を挙げて鮮やかに復活。1989年には通算200勝を達成するとともに、39歳にして最優秀防御率も獲得した。
セ・パ4球団を渡り歩いて活躍した藤井秀悟氏も、トミー・ジョン手術を経て復活を果たした投手の一人。プロ2年目の2001年に最多勝を獲得するなどスワローズのエースとして活躍した藤井投手だったが、2003年に左肘の靱帯を断裂して手術を受ける。それでも2005年に10勝を挙げて復活し、北海道日本ハム、巨人、横浜DeNAの各球団でも先発陣の一角として活躍。現役引退後には心臓疾患を患っていたことを明かすなど多くの苦難を乗り越え、実働14年と息の長い現役生活を送った。2020年1月には、古巣・横浜DeNAで球団広報兼打撃投手とし...