オリックス・岩嵜翔投手が、先発転向を視野に2軍で調整を進めている。
「まず先発でやらせていただきます。そのままできたらそれに越したことはないですが、長いイニングを投げられたらロング(の中継ぎ)が必要になった時に、使いやすいですし」。体感で40度を超える酷暑の中、大阪舞洲の球団施設で練習を終えた岩嵜が、ファームでのテーマを明かした。
昨シーズン途中に中日からトレードで移籍し、中継ぎとして37試合に登板。4勝1敗16ホールドでチームのAクラス入りに大きく貢献した。今季は、自主トレでのハードワークもあり左ひざを痛めて開幕1軍を逃したが、6月2日に昇格し中継ぎとしてブルペン陣を支えた。
しかし、7月16日の楽天戦(楽天モバイル)で2点リードの6回から登板し、安打と2四球の1死満塁から浅村栄斗選手に逆転満塁本塁打を許した。直近の3試合で計8失点、防御率も8.71と悪化し翌日に登録を抹消された。
不調の原因はわかっている。四球の多さだ。「去年より、明らかに四球の数が多いんです。制球の部分より、メカニック的な部分がしっくりときていないのです」。昨年のオリックスでの四球は34イニングで10個、与四球率2.65に対し、今季は10回1/3で9個、同7.84と大きく数字を落としている。「考えながら投げているからどこに行くかもわからない。ある程度のところには行くのですが、狙っているところには投げられない。狙いすぎて打たれてしまう」という悪循環だったという。「ボールだけを見たらそんなに悪くないと思われるかもしれませんが、投げていて苦しいというか、自分で自分を苦しめていたように思います」
先発転向は、自ら申し入れた。「リリーフで、何度もこういう経験はあります。(僅差の展開で)キチキチの状況で投げざるを得ないと、苦しくなることがあるんです。そんな時に、ファームで同じように(リリーフで)調整してよくなっても、上に行ったら打者のレベルも違うし、あまり結果は変わらないんです。1球も失敗してはいけない状況で投げるより、一度、リラックスした中で投げさせてもらって(投球感覚を)思い出させるんです」
先発投手不足というチーム事情も決断を後押ししたが、先発にこだわっているわけではない。「『(首脳陣には)負けていても気にしないでロングで使ってください』と伝えていたのですが、投げない状況が続きました。気をつかわせてしまっていたんで、長いイニングを投げられたら戻った時に使いやすいかなと思うのもあります」。36歳、19年目のベテランらしく、チームと自分を生かす道を知っている。
取材・文=北野正樹