
◆日本生命セ・パ交流戦 2026 オリックス3X―2阪神=延長10回=(14日・京セラドーム大阪)
オリックス・吉田輝星投手(25)は、目の前の仕事に集中した。「同点だったので、サヨナラの流れをつくれたら」。延長10回、最速146キロの直球を軸に完全投球。同学年・山中のプロ初となる劇的な一打を呼び込み、今季初勝利をつかんだ。25年3月に受けた右肘トミー・ジョン手術を乗り越え、649日ぶりの白星。「結構かかりましたね…」と、安どの笑みをこぼした。
1年間のリハビリ生活を経て、4月25日の古巣・日本ハム戦(京セラD)で復帰登板。試合後は、相手主砲の万波と「2000年会」を開催した。24年に移籍するまで5年間ともに戦い、術後は再会するたびに「リハビリ頑張れよ!」と励ましてくれた存在。「復帰おめでとう!」と戦友の言葉に胸が熱くなり、活躍への思いを強くした。
リリーフの一角として奮闘するなかで、細心の注意を払うのが右肘のケア。「手術前とは状態が違うので」と初めての大きな故障をきっかけに、新たに超音波治療を取り入れた。練習前や登板後など、毎日2回以上、患部に機器を当てることをルール化。「50試合を目指せるペースにある。自分自身でできることはちゃんとやらなければ」と、高い意識をパフォーマンスにつなげる日々だ。
チームは2カード連続勝ち越しで交流戦を締めくくり、1日で3位に再浮上。岸田監督は「弾みにしてほしい」と、右腕の復活星を祝福した。「2つ負けているので、最低でももう1勝はしないと取り戻せない」と、さらなる貢献を誓った輝星。苦境を乗り越えた根性を武器に、過去最高の1年とする。(南部 俊太)