1年前の現役ドラフトで新天地に移った選手たちは、どんなシーズンを送ったのか
2024年12月に行われた現役ドラフトによって、パ・リーグ各球団がそれぞれ1名の選手を獲得した。それから1シーズンが経過した現在、前年の現役ドラフトで移籍した選手たちはどのような成績を残しているのだろうか。
今回は、2024年の現役ドラフトでパ・リーグ球団に移籍した6名の選手が、2025年に記録した成績を紹介。各選手が新天地で残した数字をあらためて振り返るとともに、今年の現役ドラフトで移籍する選手たちの活躍にも期待を寄せたい。
吉田賢吾(福岡ソフトバンク→北海道日本ハム)

吉田賢吾選手は同じく2023年の現役ドラフトで加入した水谷瞬選手と同じく、若くして福岡ソフトバンクから北海道日本ハムに移籍。水谷選手と同様の躍進に期待がかかる中、オープン戦で打率.417とハイアベレージを記録し、自身初の開幕一軍入りを勝ち取った。
開幕後も4月に17試合で3本塁打を放ち、月間打率.255と一定の数字を記録。このまま本格ブレイクへの期待も高まったが、続く5月は同じく17試合の出場で1本塁打、月間打率.216と数字を落とし、6月は月間打率.200、7月は同.154と低迷。7月16日を最後に一軍出場はなく、47試合で4本塁打、打率.217という成績だった。
柴田大地(東京ヤクルト→東北楽天)

柴田大地投手は東京ヤクルトで過ごした3年間の一軍登板はわずか2試合にとどまっていたものの、新天地の東北楽天では7月に移籍後初登板を果たす。今季2試合目の登板となった7月9日の試合では2イニングを無失点に抑える好投を見せ、見事にプロ初勝利をマークした。
その後は二軍での調整を経て、8月中旬に一軍に再昇格。8月に登板した4試合のうち3試合で1.1イニング以上を投じるなど、ロングリリーフとしてイニング跨ぎをいとわぬ投球を見せた。6試合の登板で防御率2.08と優れた数字を残したが、与四球率6.23と制球面に課題を残したこともあってか、8月23日を最後に一軍登板がないままシーズンを終えている。
平沢大河(千葉ロッテ→埼玉西武)

プロ10年目を新天地で迎えることになった平沢大河選手は、外崎修汰選手の三塁へのコンバートに伴い、二塁手の主力候補の一人として注目されていた。その期待に応えて開幕を一軍で迎える予定となっていたが、開幕当日の3月28日に急性腰痛で登録を抹消され、アピールの機会を逃す不運に見舞われた。
その後は戦列に復帰して5月に一軍昇格を果たすも、10打数無安打と結果を残せず再び二軍落ち。今季2度目の昇格を果たした7月16日に移籍後初安打を記録したが、今季の安打はその1本のみに終わり、四球もゼロと持ち味の選球眼も発揮できず。シーズン打率.059と打撃面で大きく苦戦し、わずか17試合の出場にとどまっている。
石垣雅海(中日→千葉ロッテ)

石垣雅海選手は今季初出場となった4月2日の試合で3打数2安打と活躍を見せるも、その後の2試合では無安打に終わって一軍登録を抹消される。交流戦期間中の6月に再昇格を果たし、内野の全ポジションをこなして無失策と堅実な守備を見せたものの、打撃面では6月以降は無安打と苦戦が続いた。
最終的に今季放った安打は、新天地でのデビュー戦となった4月2日の2安打のみ。限られた出場機会で4つの四球を選び、出塁率は.333と選球眼の向上は示したものの、若手の登用が進む中でその波に乗れず、内野の確固たるレギュラーが不在というチャンスを活かすことができなかった。
本田圭佑(埼玉西武→オリックス)

本田圭佑投手はオープン戦で5試合を無失点に抑えながら開幕一軍入りを逃し、5月11日に移籍後初登板を果たすも、その試合で2失点を喫してわずか2度の登板で登録抹消。出だしで大きく躓いたものの、6月に再昇格して以降はロングリリーフを務めながら6試合を無失点に抑え、7月19日の時点で防御率は1.54まで向上していた。
ところが、7月26日の試合で1イニングを7失点と大きく崩れてしまい、その試合を最後に一軍復帰を果たせないままレギュラーシーズンを終えた。今季のオリックスではリリーフ陣に故障者が相次いだだけに、埼玉西武でセットアッパーとして活躍した実績を持つ本田圭投手が機能しなかったことが惜しまれるところだ。
上茶谷大河(横浜DeNA→福岡ソフトバンク)

上茶谷大河投手は開幕前の2月に右肘関節クリーニング手術を受けて出遅れたが、5月に実戦復帰を果たすと二軍で防御率2点台と好投し、8月26日に移籍後初登板を果たす。最初の3試合で無失点投球を見せ、9月7日が終了した時点で6イニングを自責点1、防御率1.50と好成績を残していた。
しかし、9月11日の試合で5失点(自責点4)、9月17日の試合で4失点と、2試合連続で大量失点を喫して一軍登録を抹消される。9月末に再び一軍に復帰するも、シーズン最終戦となった10月5日の試合で2/3回を1安打1四球と1イニングを投げ切れず。年間防御率6.92と安定感を欠いたこともあって、移籍初年度は8試合の登板に終わっている。
今年の現役ドラフトで移籍する選手は、新天地で輝きを放つことができるか
2023年の現役ドラフトでは、水谷選手、長谷川威展投手、鈴木博志投手、中村祐太投手の4名が、パ・リーグの球団に移籍したうえで一定以上の活躍を見せていた。今季は前年とは異なり、パ・リーグ球団に加わった選手が総じて苦戦を強いられるシーズンだったと言えよう。
今回取り上げた6名の選手は、今後のシーズンにおいて巻き返しを図ることができるか。そして、今年の現役ドラフトでパ・リーグ球団に移籍する選手たちは、新天地で輝きを放つことができるか。新たなチャンスを得た選手たちの今後の活躍に、来季以降も注目しよう。
文・望月遼太
