
巨人・菊地大稀投手(26)が現役ドラフトで日本ハムに移籍することが決まった。
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「正直しんどいですね」。いつも笑顔で取材に応じてくれる菊地が珍しく弱音を吐いた。2月に娘が生まれ、父として迎えた初めての3月は、1軍どころか3軍にいることさえあった。思うようにいかない現実。支えになったのは「娘ができてそのためにがんばらないといけないって気持ち」だった。スマホには娘の写真や動画がたくさん収められていた。家族のためにも1軍のマウンドに立ちたい、その一心で腕を振ってきた。
佐渡島出身初のプロ野球選手。育成からのスタートだったが高い奪三振率で支配下をつかみ23年には50登板を果たすなどブレイクした。しかし24年は1軍登板なし。定着できない原因の一つに、守りの際の送球があった。さまざまな人に練習方法を聞き、薄暗いブルペンで1人で黙々と練習。自分の形を見つけ、不安を打ち消していった。
同期の大勢が「怒ったところを見たことがない」と語るほど温厚な性格。寮生時代は試合後に大好きなおにぎりを3つ平らげるのが日課だった。先輩に食事に連れて行ってもらうと、料理を写真に収め佐渡島にいる母に送るかわいらしい一面もある。
その一方、マウンドでは声を上げながら闘志をむき出しに腕を振る。登場曲を使用し、個人トレーナーが一緒という縁もある3人組のロックバンド「THE ALFEE」の高見沢俊彦を「頭にあるのは『フォア・ザ・チーム!』。連投を惜しまない覚悟に感銘を覚えた」と感動させた。人には優しく、自分に厳しい―。菊地なら、北の大地でもファンや仲間に愛されると確信している。(巨人担当・水上 智恵)
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