
2021年育成ドラフト1位で北海道日本ハムに入団した福島蓮投手。昨季は7月以降の8登板で5勝0敗と存在感を示し、福岡ソフトバンクとのポストシーズンでも好投を披露した。5年目の今季は4月下旬に一軍昇格を果たすと、ここまで7試合に登板。防御率2.36の安定感に加え、平均6.5イニングを消化するなど、先発として順調なステップアップを見せている。
好投を支えるストレート

テイクバックの小さい独特な投球フォームが特徴の福島投手。支配下昇格1年目の2024年から5球種を操るなど持ち球は豊富だが、投球の軸となっているのはやはり最速155km/hを誇るストレートだろう。ここまで全44奪三振のうち半数以上の25個を記録しており、被打率.185は同球種のリーグ平均.249に大きく差をつける好成績だ。今回はこの直球にフォーカスし、右腕のピッチングを掘り下げてみたい。
高めに投げ込むが、コーナーは狙わない?


注目したいのがストレートを投げ込むコースだ。高低別の投球割合では高めへの投球が最も多くなっており、これは高めの球で空振りを狙う速球派投手に共通の特徴といえる。
一方で異質なのが内角・外角で分けたデータだ。一般的なストレートはバットが届きにくい外角か、詰まりやすい内角に投げ分けるのが基本で、真ん中に投じることは少ない。ところが福島投手の場合、真ん中への投球割合がリーグ平均を10ポイントも上回り、内角よりも多くなっている。これではバットの芯で捉えられるリスクが大きいように見えるが、なぜ被打率1割台に抑えることができるのだろうか。
リリーフの剛腕たちを上回る奪空振り率

その秘密はストレートの圧倒的な球威にある。昨季12.9%だった奪空振り率は、今季17.2%まで上昇。リーグ平均である8.2%の2倍以上の数値を記録しており、チームメートの田中正義投手や柳川大晟投手といった剛腕リリーバーを抑え、先発投手ながらリーグトップに立っている。
長いイニングを投げても落ちない球威

先発投手でありながら、セットアッパーやクローザーのような球威で強気に攻める福島投手。ここで気になるのが体力の問題だ。1イニング20球程度を全力で投げるリリーバーとは違い、先発は少なくとも5イニング以上を投げ抜く必要があり、中盤以降は球速が落ちてしまうことが多い。実際に昨季の福島投手は、40球目以降の平均球速が1.5km/hほど低下していた。しかし、今季は球数が増えても平均151km/h台をキープしており、球威が衰える様子はない。交流戦では3試合連続で7イニングを投げ、計25奪三振と持ち味を存分に発揮した。
有原航平投手が二軍調整、達孝太投手がリリーフに配置転換となるなど、北海道日本ハムの先発陣は開幕前のプラン通りには運んでいないのが現状だ。そんな中で福島投手が台頭しつつあることは、チームにとって大きなポジティブ要素といえるだろう。成長著しい23歳のピッチングから、今後も目が離せない。
※文章、表中の数字はすべて2026年6月25日終了時点
文・データスタジアム
