ファームで投球回を上回る奪三振を記録

今季から千葉ロッテに加入した宮崎颯投手。2022年の育成ドラフト8位で福岡ソフトバンクに入団するも、翌年の1月にトミー・ジョン手術を受け、長期のリハビリ生活を余儀なくされた。それでもプロ3年目となった昨季、二軍デビューを果たすと、高い奪三振能力を発揮。31試合に登板して防御率2.57をマークするなど、左のリリーフとして存在感を示した。7月には念願の支配下登録を勝ち取り、一軍でも2試合に登板。しかし、オフに戦力外通告を受け、11月に千葉ロッテと支配下契約を結んだ。
昨季、救援防御率がリーグワーストに沈んだ千葉ロッテ。新天地での活躍を期す左腕は、ブルペンを支える存在となれるのか。本コラムでは、宮﨑投手の投球スタイルにデータで迫っていく。
打者の左右を問わず好成績をマーク

まず、宮﨑投手の強みとして挙げられるのが、相手打者の左右を苦にしない点だ。昨季のファームでの左右打者別の成績を見ると、いずれも被打率1割台を記録。さらに奪三振割合もファーム平均を7~8ポイント上回る25%台をマークするなど、左右を問わず抜群の成績を収めた。ワンポイントリリーフにとどまらず、1イニングを任せられる存在となれば、救援陣の底上げを図る千葉ロッテにとって非常に心強い戦力となり得るだろう。
左打者にはカットボール、右打者にはチェンジアップで勝負

宮﨑投手の一番の武器は最速152km/hの真っすぐだ。実際、ストレートの割合は全投球の6割以上を占めており、威力のある直球で打者を押し込む投球スタイルが特徴的だ。その一方で変化球の投球割合は、打者の左右で大きく異なる。左打者に対してはカットボールの割合が24.4%とストレートに次いで多く、チェンジアップは4.8%。右打者にはチェンジアップを25.6%と多く投じており、カットボールは9.6%にとどまっている。
平均を大きく上回る奪空振り率


左右の打者に対してそれぞれ投球割合の高い2球種のスイング奪空振り率を見ると、宮﨑投手の高い空振り奪取能力が際立つ。左打者に対してはストレート、カットボールともに優秀な数字を残しており、特にカットボールはファーム平均を大きく上回る47.6%をマークした。
また右打者に対してもストレート、チェンジアップともにファーム平均を上回る結果となり、ストレートのスイング奪空振り率は27.3%と、左打者相手よりも高い数字を記録。こうした各球種の高い奪空振り率が、左右打者を問わない高い奪三振割合につながっていると考えられる。
一軍定着に向けて課題も

一方で、一軍定着に向けて課題も存在する。それは制球力だ。昨季のファームでの与四球率は4.63、与四死球率では5.66となり、およそ2イニングに1つ以上のペースで四死球を与えていた計算となる。ストレートをストライクゾーンに投じた割合はファーム平均より3.7ポイント低い47.7%にとどまり、一軍平均と比較すると6.0ポイント下回る数値となっている。空振りを奪える速球や変化球がありながらも、ボールが先行してカウントを悪くしてしまえば、その持ち味を十分に生かすことはできない。制球力を向上させ、ストライク先行のピッチングを続けられるかが、一軍定着への大きなカギとなりそうだ。
プロ4年目のシーズンを新天地で迎えた宮﨑投手。春季キャンプからの着実にアピールが実り、見事開幕一軍の切符を勝ち取った。昨季最下位からの巻き返しを図るべく、サブロー新監督のもと再出発を図るチームにおいて、今後は自身のポジションを確立したいところだ。逆境を乗り越えてきた左腕が、千葉ロッテのブルペンを支える存在となれるか。宮﨑投手の挑戦に注目したい。
※文章、表中の数字はすべて2025年シーズン終了時点
文・データスタジアム
