昨年11月、「ドラフト指名直後の高校生は何を思う」という記事で埼玉西武に6位指名された新潟県・糸魚川白嶺高校の綱島龍生選手を取材した。あれからちょうど1年、背番号「63」のユニホームを身にまとい、プロ1年目のシーズンを終えた綱島選手に今の心境を聞いた。
松井二軍監督の指導の下、着実にステップを踏む毎日
11月中旬、西武第二球場での所沢秋季キャンプ。綱島選手は高木浩之二軍野手総合コーチ兼打撃コーチが手で転がすゴロを繰り返し捕球し続けていた。
高木コーチの横では今シーズン限りで現役引退し、指導者に転じた松井稼頭央二軍監督が綱島選手のプレーをじっと見つめる。しばらくすると松井二軍監督は助言を送り、自らグラブをはめて手本を見せるなど、熱のこもった指導が続く。綱島選手もその捕球動作を、逃さぬようにじっと見ていた。
ゴロ捕球を何度も繰り返していくうちに、綱島選手の動きは次第に柔らかく、滑らかなものへと変わっていく。その姿に松井二軍監督は「良いよ、良いよ」「その感覚、無かっただろ?」と声を掛けていた。練習後、綱島選手は取り組みの意図をこ...