大きな大きな1勝をプレゼントした。福岡ソフトバンクが25日、埼玉西武にサヨナラ勝ちし、交流戦明け最初のカードを勝ち越しで締めくくった。勝負を決めたのは、この日、代走から出場した伏兵・福田選手の一発だった。
9回裏2死1塁、崖っぷちの状況で、この日初打席の男が振り抜いた打球は、右翼席へ突き刺さるサヨナラ逆転2ランとなった。「打った瞬間入ると思いました。まさか自分が打つとは思っていなかった」。興奮冷めやらぬ表情をヒーローインタビューで見せた。プロ11年目、熾烈なレギュラー争いを繰り広げる28歳が、これ以上ないアピールに成功した。
常に、カード勝ち越しを目標に掲げる工藤監督も、この大きな勝利に喜びを隠せない。福田選手の打席について、インタビュアーから「一振りで決めろという気持ちか、後ろにつないでくれ、という気持ちか」と質問を向けられると「一振りで、と思っていました。チームの雰囲気もすごい盛り上がって、長谷川君は倒れてしまいましたが、勢いそのままに打席に入って、なんとなくいい感じだったんです」と答えた。ビハインドをひっくり返せるような独特の空気が、ベンチには広がって...