「81球で27奪三振よりも27球で試合を終わらせる方がいい」
多くの投手がそう口にしてきたように、計27打者を1人1球ずつで打ち取り、試合を終わらせるのはピッチングの究極だろう。すべての打者を三振に仕留めて81球を費やすよりも、圧倒的に時間と負担がかからないからだ。ただ、実現度の点を考慮するとどうだろうか。いずれも達成困難……というより、一生を賭けても拝めなさそうな投球であることに変わりはないが、わずかながら可能性が見出せるのは「81球」の方だ。「27球」は打者に投球を見送られた時点で可能性がついえるため、投手個人の力量が図抜けているだけでは実現できない。対して「81球」は、投手と相手打線の実力に大きな隔たりがあれば、考えられなくはない偉業ではある。
今季も奪三振能力の高さを証明しているのが、5月25日のオリックス戦でプロ野球タイ記録となる6試合連続2ケタ奪三振を達成した則本投手(楽天)だ。1試合目の4月19日こそ白星を逃したが、以降の5先発では5連勝を飾り、首位を走るチームの原動力となっている。昨季まで3年連続で奪三振王に輝いている則本投手は今季の78奪三振もリーグトップで、4年連続同タイトル獲得となれば史上4人目の快挙だ。このハイペースで三振を奪い続ければ、21世紀のシーズン最多記録更新も夢ではない。ここでは、2000年以降のシーズン奪三振記録トップ20をマークした選手とその成績...