中日のMVP捕手→移籍先の巨人でも日本一に貢献した中尾孝義氏
日本一に輝いた2013年以来9年ぶりのリーグ優勝へ向け、楽天が首位をひた走っている。キーマンとなっているのが、開幕から全36試合に「1番・左翼」でスタメン出場し、チームトップでリーグ3位の出塁率.416をマークしている西川遥輝外野手だ。昨季限りで北海道日本ハムを自由契約となったが、新天地で輝きを増した。現役時代の1989年に中日から巨人へ移籍し、カムバック賞を受賞した野球評論家・中尾孝義氏が、自身の体験をもとに西川変身の要因を分析する。
西川と言えば、北海道日本ハムの「顔」だった。俊足を武器に盗塁王を4度獲得し、ゴールデングラブ賞にも4度、ベストナインも2度輝いた。バットコントロールが抜群で、2016年の日本シリーズではサヨナラ満塁本塁打を放ち、チームの日本一に貢献。端正なマスクで人気もあり、西川のファンは「ハルキスト」と呼ばれた。
ところが海外FA権を取得した昨季、打率.233の不振に終わると、オフには球団から契約を提示されない「ノンテンダー」となり、選手生命の危機に立たされた。そこへ手を差し伸べたのが楽天だった。中尾氏は西川の心境について「拾ってもらった恩を返したいと思っているはず。今は野球をやれるうれしさ、楽しさを実感しているところでしょう」と推察する。
西川は「1番として信頼され、やりがいを感じているでしょう」
中尾氏も中日がリーグ優勝した1982年に正捕手でMVPを受賞するなど、チームの看板として活躍していたが、外野に転向していた1988年のオフに巨人との交換トレードが決まった。「当時のトレードには今以上に、チームから放り出されるような嫌なイメージがありました」...
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