楽天イーグルス、横浜DeNA、埼玉西武と3球団に渡って活躍した渡辺直人選手の引退試合となった今試合。2球団を通じて7年間、同じユニフォームを着て共に戦った岸孝之投手が9回2失点の好投を見せ、楽天が勝利をつかんだ。
打線は3回裏に渡辺直選手の二塁打をきっかけに2点を先制すると、4回裏にも1点を追加。序盤から援護をもらった岸投手は、5回までに9個の三振を奪うなど好投を披露した。なかでも先制点をもらった直後の4回表は、3者連続三振に抑える圧巻の投球。ここでは、試合の主導権を握ったその配球に注目したい。
岸投手は、緩いカーブと鋭い直球の『緩急』を組み合わせて打者を翻ろうする投球スタイルが持ち味。今試合でも3回表までに投じた54球の内、およそ24%の13球がカーブと、緩急を用いながら1安打無失点に抑えていた。しかし、クリーンナップから始まった4回表は唯一、カーブが「0」球のイニングだった。
先頭の外崎修汰選手に対しては、ストレートとスライダーで追い込むとカウント2-2からの5球目で高めの直球を投じ、空振り三振を奪った。続く4番・栗山巧選手には全球外角の厳しいコースへ直球。精密なコントロールに栗山選手は一球も手が出ず、3球三振に。続く5番・中村剛也選手もストレートで空振り三振に抑え、3者連続三振でこの...