美馬学と石川歩。チーム方針にも合致する、千葉ロッテ“2枚看板”に共通する2つの長所

2020.10.8(木) 19:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
《THE FEATURE PLAYER》M美馬の『試合を作るチカラ』1年3カ月ぶりの完投勝利

石川投手と美馬投手の両右腕の活躍が、チーム順位を押し上げている

 石川歩投手と美馬学投手の両右腕は、ともにパ・リーグの首位争いを繰り広げる千葉ロッテの先発投手陣をリードする存在だ。美馬投手はここまでリーグトップの10勝を挙げている涌井秀章投手(楽天)に次ぐ9勝を記録し、移籍1年目から最多勝争いにも名乗りを上げている。10月4日の埼玉西武戦では、1年3カ月ぶりに完投勝利を果たした。また、今季の開幕投手を務めた石川投手もチーム2位の7勝を挙げており、7月終盤以降はエースの名にふさわしい安定した投球を続けている。
 石川投手は16試合で防御率4.17、美馬投手は15試合で防御率4.31と、防御率だけを見ればそこまで圧倒的な数字というわけではない。それでも、美馬投手は8月11日の試合から自身6連勝中、石川投手も7月31日のシーズン初勝利から自身6連勝を果たすと、9月は少し調子を落としたものの、チームに継続して勝ち星をもたらしている。そのような「勝てる投球」を見せられる理由は、どこにあるのだろうか。
 その具体例としては、両投手の投球スタイルの共通点である「高い制球力」と「イニング消化能力の高さ」といった要素が挙げられる。また、それらの長所が今季のチーム方針と噛み合っていることで、チームの躍進にも少なからず寄与している点も興味深いところだ。今回はこの2つの要素を軸に、千葉ロッテをけん引する両右腕の投球内容にアプローチしていきたい。

プロ2年目以降は、常に優れた与四球率を維持してきた石川投手

 最初に、「制球力」という観点から、両投手の投球に対する分析を行っていきたい。まずは、石川投手がこれまでのキャリアで記録してきた成績、および与四球率について見ていこう。

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