野球の形はなぜ「ダイヤモンド」と呼ばれるのか? バッターが一塁へ走る理由は
2020年5月31日 15:26
Full-Count 広尾晃
野球の形はなぜ「ダイヤモンド」と呼ばれるのか?※写真提供:Full-Count
ダイヤモンドはアメリカで生まれたものではない?
日本では、硬式、軟式野球やソフトボールなどベースボール型競技を総称して「ダイヤモンドスポーツ」と呼ぶことがある。「ダイヤモンド」は、野球の最も重要な「かたち」であるといえよう。ダイヤモンドはどこで誕生したか? それは、野球のルーツの問題に関係している。アメリカの野球史家の多くは「野球はアメリカ発祥のスポーツである」としている。しかし、ダイヤモンドはアメリカで生まれたものではない。 ボールを棒状の道具で打つ遊びは、極めて古くに始まった。古代エジプトの壁画にも残されている。それがゴルフやポロ、ホッケーからテニスなどのスポーツに発展したと考えられる。そうした発展の中、ヨーロッパでボールを棒で打つ「バットアンドボールゲーム」と呼ばれるジャンルが生まれた。 代表的なものが、「野球」と「クリケット」だ。16世紀にイングランドで始まったとされるクリケットは、楕円形の「クリケット場」で行われる。中央に設けられた「ピッチ」と呼ばれる長方形のエリアで、ボウラー(投手)が投げたボールをバッツマン(打者)がバットで打って、ピッチの端にあるウイケット(塁)に達すれば点が入る。ウイケットは2つだ。 これに対し、野球は投手が投げたボールを打者がバットで打つところまでは同じだが、塁は4つだ。4つの塁は正方形のエリアに置かれている。この正方形のエリアをダイヤモンドと呼んでいる。バットアンドボールゲームのなかで、4つの塁を置いてプレーするようになったのは「ラウンダーズ」というゲームが最初だと考えられている。ラウンダーズは15世紀のイングランドで始まったとされる
ラウンダーズは15世紀のイングランドで始まったとされる。バットでボールを打って、4つの塁を回って帰ってくると点が入るという基本的なルールはその当時から変わらない。ちなみにラウンダーズは、今もアイルランドやイングランドでは学校の授業に取り入れられ、子供に人気のゲームだ。地域によっては、5つの塁を回るラウンダーズもあったようだ。しかしほとんどの地域で4つの塁を回っていた。 これが、移民によってアメリカにもたらされ、野球になったと考えられている。以後、ダイヤモンドのサイズは何度か変更された。 野球のダイヤモンドでは、本塁、一塁、三塁は、ダイヤモンドの角に合わせて置かれている。が、二塁だけが少しずらして、ベースの中心が角に来るように置かれている。これは、野球規則に、野球のダイヤモンドを作るときには、まず本塁を決めて、そこから127フィート3インチ3/8(38.795メートル)先に二塁ベースの中心を置くと決められているからだ。 そして本塁から90度の角度で一塁線、三塁線を引き、二塁ベースの中心から一塁線、三塁線の交点の位置に角を合わせて一塁、三塁ベースを置く。一塁、三塁間も二塁、本塁間と同じ127フィート3インチ3/8(38.795メートル)だ。 続きを読む