クリーンナップ以外の打順を務める選手が好調な打撃を見せている時期に、「恐怖の○番」という言葉が用いられることがある。この表現はさまざまな打順に対して用いられるが、「恐怖の9番」という数字になると、指名打者が導入されているパ・リーグならではのものとなる。
過去の例に目を向けると、2008年に埼玉西武の新助っ人ヒラム・ボカチカ氏が、9番として出場した39試合で打率.258、12本塁打、OPS.915と強打を見せ、チームの日本一に貢献している。続く2009年には、北海道日本ハムの金子誠氏が、9番として先発出場した120試合で打率.325、14本塁打、61打点、OPS.875と大暴れ。「恐怖の9番」と呼ばれる活躍を見せ、リーグ優勝にも大きく貢献した。
今期のパ・リーグでは9番打者として先述の2人に並ぶようなインパクトを残した選手はいなかったが、上位打線につなぐ役回りも求められるのが9番の特徴だ。守備面での負担が大きい捕手を置いたり、俊足の巧打者タイプを置いたりと、チームによってラストバッターに求めるものが異なるのも興味深...