近年まれに見る混戦のパ・リーグ。長いシーズンも終盤戦に差し掛かり、1試合の重みが増してきている中、今回注目するのは代打。時に試合の勝敗を左右することもある1打席のチャンスで結果を残しているのはどの選手なのだろうか。今季10打数以上で代打率が3割以上の選手にフォーカスしよう。(成績は9月10日試合終了時点)
福岡ソフトバンクはユーティリティーな2選手が勝負強さを発揮
福岡ソフトバンクで好成績を残しているのは川島慶三選手と福田秀平選手の2人。川島選手は9月8日の試合で同点打を放つなど、13打数6安打で打率.462を残すいぶし銀の働きを見せている。一方の福田選手は12打数5安打、打率.417という成績。6月21日の巨人戦で放った代打勝ち越し満塁本塁打はファンの記憶に残っているのではないだろうか。
千葉ロッテは勝負強さ光るあの男
清田育宏選手は23打数7安打で打率.304と、イメージ通りの好成績。今季通算では、規定打席未達者としてリーグ最多の決勝打10本を放っている。雌雄を決する局面で頼りになる打棒にシーズン終盤も期待が高まる。
楽天はトレードが効果てきめん
楽天では、今季途中に広島からトレード移籍で加入した下水流昂選手が17打数6安打で打率.353のハイアベレージを残している。8月以降出場した27試合中22試合が途中出場で、17試合が代打からの出場とスーパーサブとしての地位を確立しつつある。右の代打として期待された新天地で、早くも適応を見せているようだ。
北海道日本ハムで高い代打率を誇るのは杉谷拳士選手。今季ここまで24打数9安打で.375の好成績。代打で四球を選ぶだけの動画が47万再生された男は、人気だけでなく結果も伴っている。
打率こそ.250ながら、今季パ・リーグ最多の代打起用数55回、代打安打数12本を誇るのは田中賢介選手。今季限りでの引退を表明しているベテランは、ウグイスコールで球場を沸かす機会が多くなっている。
オリックスはケガ人が相次ぎ代打陣は手薄に……
オリックスの小島脩平選手は昨季代打で9打数ノーヒットと結果を残せなかったが、今季は24打数8安打で.333の高い打率をマークしている。西野真弘選手が13打数4安打、打率.308とまずまずの成績。なお西野選手は大城滉二選手の故障に伴い、一時正三塁手を務めていたものの、8月末に自身も怪我で戦線離脱を余儀なくされたため、9月に入ってからは小島選手が三塁でスタメン出場する機会が増えている。
意外なことに、強力打線で知られる埼玉西武は代打で10打数以上かつ3割以上の高打率を残した打者がいなかった。これは打線、特に捕手(森友哉選手)の攻撃力が他球団と比較して傑出しているため、代打を送る機会そのものが少ないことが理由だろう。
代打は打席数が少ないため、ここまで提示してきたデータのみで選手の実力を測ることは難しい。しかし、経験豊富なベテランからスーパーサブの選手まで、さまざまな選手が高い代打率を残している。所詮控えと侮ることなく、各選手の勝負をかけた1打席に...