局面を問わず、飄々とマウンドに立ち続けるタフネス左腕の献身は、とどまるところを知らないようだ。
埼玉西武の武隈祥太投手は現在、これまで主戦場としてきた中継ぎだけでなく、先発としての調整も行っている。抜群の制球力と多彩な変化球を武器に、幅広い起用に応えてきた左腕。実際にまっさらなマウンドに立つ機会がどれほどあるのか分からないが、この経験は確実に、自身の汎用性をさらに高めるものとなるだろう。
中継ぎとして実績があっても「投げてくれと言われたところで投げます」
2007年の高校生ドラフト4巡目で指名された武隈投手は、7年目の2014年に頭角を現すと、翌年から3年連続で50試合以上に登板するブルペン陣の柱に。昨季も58試合に登板して5勝2敗13ホールド、防御率3.14という好成績を残しており、中継ぎ左腕としてフル回転を続けてきた。
実は2007年、埼玉西武は高校生ドラフトにおける上位2選手の指名権を持っていなかった。つまり事実上高校生の最高位となる4巡目で、当時決して全国区の選手ではなかった武隈投手を指名している...